部下の規律違反報告怠り幹部2人懲戒 陸自伊丹駐屯地

陸上自衛隊伊丹駐屯地=伊丹市緑ケ丘7

 部下の規律違反を把握したにもかかわらず、上司や隊本部への報告を怠ったとして、陸上自衛隊伊丹駐屯地は10日、中部方面会計隊の男性幹部2人を、それぞれ同日付で停職3日と減給15分の1(1カ月)とする懲戒処分を発表した。

 同駐屯地業務隊によると、幹部1人は昨年11月4日、部下が営内の独身寮で飲酒しているとの報告を別の隊員から受けたが、上司に当たる50代幹部に伝えなかった。この50代幹部も昨年12月9日と今年3月23日、飲酒問題と隊内でのパワハラに関する訴えを受けたが、放置していた。

 今年3月下旬、直接訴えを受けた上級部隊が関係者から事情を聴いていたところ、幹部2人が報告を怠っていたことが判明した。

 50代幹部は「個人の問題と捉えていた」と話し、報告を要する案件と認識していなかったと説明しているという。もう1人の幹部は「飲酒した隊員が処分され、将来に影響すると思った。不幸にさせたくなかった」と述べているという。業務隊はこの幹部について「個人が特定されると、本人の不利益になる」として年代も公表していない。

 パワハラに関する訴えについては、後の調査で「ハラスメントには当たらない」と判断された。

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