25歳の若さで急死した宝塚歌劇団の俳優の女性の両親ら遺族は10日、劇団への怒りと、まな娘を救えなかった後悔のにじむコメントを公表した。「娘の笑顔が大好き」「何もかも奪われた」。記者会見した代理人弁護士は「劇団では異常なまでに縦の関係が徹底されていた」と述べ、過重な業務やパワハラを生む土壌があったと主張した。
「上級生、下級生とは縦の絆、同期生とは横の絆」。代理人の川人博弁護士によると、俳優に配られる「生徒手帳」にはこんな一節が書かれていた。女性は上級生から「マインドがないのか!」「うそつき野郎!」と暴言を吐かれていたといい、手帳の理念が背景の一つとの見方を示した。
遺族側によると、こうした暴言があったのは、亡くなる直前の9月下旬で、公演を間近に控えた時期。川人弁護士は「緊張が高まる時期ではあったが、指導の範囲は逸脱している」と指摘した。
女性は今夏に退団予定だったが、同期の退団の意向を知ったことや、新人公演の長である責任感から来春に延期。8月半ば以降、苦しそうな表情に変わっていった。