ガザ北部、激しい空爆続く 市街戦激化、病院や学校で死傷者

10日、イスラエルが攻撃するパレスチナ自治区ガザ市の上空に立ち上る煙(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍は10日夜、地上侵攻するパレスチナ自治区ガザ北部で激しい空爆を続けた。民間人退避のため同軍が1日4時間の戦闘休止時間を設けると米政府が表明したが、イスラム組織ハマス掃討作戦は強化され、市街戦も激化。中東メディアによるとハマスの拠点、北部ガザ市や周辺で複数の病院や学校が攻撃され、多くの死傷者が出た。

 イスラエル軍報道官は、人質解放交渉について「複雑で終わっておらず、時間がかかる」と述べた。地元紙ハーレツは情報筋の話として、交渉に進展はあるが概要は固まっていないと伝えた。ハマスが拘束する人質は約240人。

 米CNNテレビはガザ北部が10日夜も空爆され、夜空が赤く染まる映像を報じた。イスラエル軍はハマスが病院を軍事利用していると主張し、ガザ市で複数の病院を包囲したと伝えられる。地上部隊がハマスの一大拠点とする地区最大級のシファ病院に迫り、周囲で戦闘が起きているという。

 ガザ保健当局によると、戦闘によるガザの死者は子ども4500人を含む1万1千人以上。

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