「水道の水が止まらない」「ガサゴソ歩いている音が…」消防の現場を悩ます「119番」後絶たず

11月9日は、語呂合わせで「119番の日」。火事の通報や救急車の要請など、消防へのホットラインです。この119番をめぐって、消防の現場を悩ます通報が後を絶ちません。困った119番通報の事情とは?

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<119番通報>
「電線を焼失したもの、負傷者なし」
「息がぜえぜえしちゃって肩で息をしているような状態なんですよ」

火事や急病、けがをしたときに頼る119番通報。静岡市消防局には、1日平均で約200本の119番が掛かってきます。しかし、中にはこんな困った通報も…。

<119番通報>
「119番つながっています」
「すみません、押しちゃった、ごめんなさい」

間違いや緊急性の少ない通報のせいで、助けられる命が手遅れになることがあるかもしれません。

<静岡市消防局 指令課 飯田宗範主査>
「静岡市消防では、1日に10件前後の無応答の電話があります。例えば、ポケットの中で鳴っているとか、ガサゴソ歩いているような音がするようなものがあります」

おそらく誤作動と思われる通報には、こんな対処をしていました。

<静岡市消防局 指令課 飯田宗範主査>
「119番をかけた後に倒れしまって応答がないという場合もあるので、(切れてしまっても)こちらから折り返しの電話をかけて、間違いであるか確認しています」

<119番通報>
「間違いですか?」
「間違いです。すみません」
「また間違えないように…」
「すみません、携帯の設定が…」
「発信の履歴が残っていると思うので消してくださいね」

誤って119番をしてしまった場合、消防から折り返しの電話がかかってきますので、間違いだったことをしっかりと伝えてください。そして、静岡市消防に掛かってくる119番の1割が誤発信を含む緊急を要していない通報です。

<静岡市消防局 指令課 飯田宗範主査>
「以前、水道の水が止まらないという相談の通報がありました」
Q.そういう場合の対応は?
「相手も困っていると思いますが、消防と関係ない通報については、ご自身で業者を探すなどしてもらう」

他にも、静岡県内の消防には、こんな緊急を要していない通報もあったそうです。

▼エアコンを止めて欲しい
▼近所に救急車が来たけど何?
▼外で犬がけんかして怖いからなんとかして

また、緊急の通報でコミュニケーションに時間がかかりがちなのが、場所を伝えるシーンだといいます。

<静岡市消防局 指令課 飯田宗範主査>
「スマホはいま、GPS機能がよくなっていて、おおむねの場所はわかるのでまずは安心してください。そのうえで近くの目標物などわかる建物を教えていただければ、こちらで地図を見て確認します」

いまはスマホを使って、消防に事故や火事、病気やけがの様子を伝える方法として現場の様子を映像で送ることができる機能があります。

119番の結果、消防が必要と判断した場合、URL付きのショートメッセージが送られてきますので、そのURLをタップするとカメラが起動して、現場の映像がリアルタイムで消防に送られます。

事故や火事現場の映像があるとはしご車を出した方がいいかなどの判断にもつながるそうです。

「これは救急車を呼んでいいのか?」と判断に迷う場合もありますが、例えば、体調が悪い人が15歳以下の子どもが対象とやや使う場面が限られますが、#8000「静岡こども救急電話相談」の利用が推奨されています。

#8000に電話をかけると、看護師や小児科医が24時間365日アドバイスしてくれます。

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