何十年後も残る作品作り 佐野の赤見中でフレスコ画体験 地元の石灰使い、郷土に誇りを

白い下地に色を付けてフレスコ画制作に取り組む生徒たち

 【佐野】赤見中で9日、石灰を材料とした下地に色を付けるフレスコ画の体験が開かれ、田沼町在住の画家福島恒久(ふくしまつねひさ)さん(45)指導の下、3年生約30人が作品制作に取り組んだ。

 石灰の産地である市への誇りを持たせようと、3年生の卒業記念作品の制作も兼ねて初めて実施した。

 フレスコ画は、バチカンのシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの「最後の審判」を描いた技法としても知られている。福島さんは葛生伝承館西側外壁で制作中のフレスコ画の作者だ。

 生徒たちは、15センチ四方のしっくいを塗った下地に、校内などで採取した葉を型紙として置き、各自が思い思いに色付け。水で溶いた顔料を含ませたブラシを網でこすって、霧吹きのような色を付ける「スパッタリング」などさまざまな手法で、白い下地を鮮やかに染めていった。

 フレスコ画の存在を初めて知ったという田部谷海優(たべがいみゆう)さん(15)は「難しかったけど、良い色合いになった」と満足そうだった。

 福島さんは「この先何十年、何百年と残り続ける作品になると思う。地元の石灰を使った作品と郷土を誇ってもらえれば」と生徒たちに呼びかけた。

白い下地に色を付けてフレスコ画制作に取り組む生徒たち
白い下地に色を付けてフレスコ画制作に取り組む生徒たち

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