世界が求める陶芸語る 益子滞在中の備前出身石田さん 11日に講演会と作陶実演

益子国際工芸交流館の工房で創作する石田さん

 【益子】備前焼を学び、海外での創作活動に力を入れる陶芸家石田和也(いしだかずや)さん(37)の講演会と制作実演が11日、益子の益子国際工芸交流館で催される。石田さんは益子陶芸美術館の事業の一環で12月上旬まで町内に滞在し、地元の作家らに刺激を受けながら表現の幅を広げようと制作に励んでいる。

 岡山県備前市出身の石田さんは、備前焼の人間国宝伊勢崎淳(いせざきじゅん)さんに学び、英国の複数の工房でも技術や表現力を磨いた。2015年からはオックスフォード大から穴窯による陶芸のプロジェクトに招かれ、学生に教えたり、現地の陶芸家と親交を深めたりするなど海外で活躍する陶芸家を目指し、経験を積んできた。

 国内外の気鋭の陶芸家を町に呼び、創作活動を奨励する同美術館のプロジェクトの公募に手を挙げ、10月下旬から、国際工芸交流館の工房で作陶している。

 「土や上薬の原料、顔料、道具など、備前とは異なる素材や環境で多くの実験的な取り組みができている」と話す。地元の作家や地域との交流に意義を感じ「歴史や土地柄、地域の背景を知り、内面から深く関わりたい」と強調する。

 講演会は「世界が日本の陶芸家に求めるものとは」と題し、日本の陶芸に対する海外の評価、海外経験が自身の創作に与えた影響などを語る。

 制作実演も含め、午後2~4時まで。16、23日には工房を公開、12月1~3日には町内滞在中の成果を発表する展示会も催す。(問)同美術館0285.72.7555。

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