長崎県知事と佐世保市長 政策ミーティング開催 基地生かすまちづくり、意見交換の場設置へ

政策ミーティング終了後、記者団の取材に応じる大石知事(左)と宮島市長=佐世保市役所

 大石賢吾長崎県知事と宮島大典佐世保市長は10日、同市役所で県市政策ミーティングを開いた。本年度からの国の防衛費の大幅増額を踏まえ、佐世保の基地を生かしたまちづくりについて研究する「意見交換の場」の設置を決めた。国への要望や、民間を巻き込んだ取り組みを進めたい考え。
 防衛省は夏の概算要求で、米軍佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の移転・返還に向けた実証実験などの費用として約14億6千万円(2024~25年度)を計上。近年では大幅な増額要求となっており、市では「懸案が前進するのでは」との期待感も出ている。
 こうした状況や東アジアの安全保障を巡る動きを踏まえ、市が県に設置を提案。県も了承した。意見交換の具体的な中身は今後詰めるが、防衛産業や自衛隊のニーズなどを押さえながら、まちづくり施策に反映していきたいという。
 終了後、宮島市長は「市は基地との共存共生を図りながらまちづくりを行っており、ぜひ県と連携して取り組みたい」、大石知事も「県も市と同じ価値観を持ってにぎわいをつくっていきたい」と話した。
 また宮島市長は、不妊治療について、市独自の支援を検討していると表明。県は現在、保険適用外の先進医療に助成しているが、市も呼応して、県の助成対象者に上乗せ助成を考えているという。宮島市長は来年度から助成を始める意向を示した。
 ミーティングでは災害時の庁舎相互利用について協定を結ぶことも確認した。

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