<現地取材>地域CL1次ラウンド初戦、東北代表の弘前は試合終了間際の痛恨の被弾で全社覇者の刈谷と1-1の痛み分け

全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2023の1次ラウンド初戦が10日に全国各地で行われ、グループB宮城県会場で開催された東北社会人1部ブランデュー弘前と全国社会人選手権覇者の東海社会人1部FC刈谷との一戦は2-2の引き分けに終わった。

幸先よく弘前が先制した。前半13分に相手GKのゴールキックをMF眞口幸太がダイレクトにはたいて前線へ送ると、相手DFラインを抜け出したFW高木輝之が相手GKの股を抜いてかわし、冷静に左足を振りぬいてゴールファー隅に先制弾を突き刺した。

そして前半終了間際の同43分には相手クリアボールをファイナルサード中央で受けたMF八田壮一郎がドリブルでペナルティエリア内へ切り込み、八田のプレゼントパスを左足のワンタッチシュートで高木が2得点目を奪った。

だが後半に入ると刈谷の猛反撃を受け、試合開始早々の後半4分に失点。試合終了間際の後半49分にはセットプレーから同点弾を被弾して2-2の痛み分けとなった。

試合後に高木は「今日ちょっとピッチの状態も本当に良くなくて。自分たちのやりたいサッカーがちょっとできなくて」と肩を落とした。先月に高校ラグビーなども開催されたサーフェスのコンディションは劣悪であり、両チーム思うようなボールコントロールやパスが通らず苦慮していた。

それでも黒星スタートは回避することができた。高木は「前回の地決に出たときには初戦で負けているんで、今回ポジティブに捉えてしっかり勝点1を取れた。2勝すれば首位でグループリーグを終われる可能性もまだ残っているので、チームとしてはまず切り替えて明日の試合絶対勝点3取るっていう気持ちです」と前を向いた。

左サイドで弘前MF板橋は躍動

この日左サイドで弘前の攻撃を活性化させたMF板橋幸大は、身長158センチと小柄な体格を生かしたプレーが光った。推進力に長けたキレキレのドリブルは相手DFが捕まえきれず、刈谷イレブンは苦戦を強いられた。

板橋は「前半2点取っていい形で終われたんですけど、後半相手のペースにだんだんなってきて、1失点するのがちょっと早かった。そこからズルズルといきましたけど。ドリブルや攻撃的なサッカーをもっと出せたのかなと思います…。あと2試合あるので、きょうの反省を生かして明日以降また頑張りたいです」と気合を入れていた。

今季は天皇杯青森県予選で格上のJFLラインメール青森を撃破し、決勝ではJ3ヴァンラーレ八戸と善戦した。東北1部も宿敵コバルトーレ女川を上回り、3季ぶりにこの舞台へたどり着いた。

「監督が代わってドリブル、パス、クロスでもポジティブに捉えてくれますし、ミスしても『次切り替えてやればいい』という監督なのでやりやすいです。ラインメール相手にも全然臆することなくできましたし、もっと攻撃的なサッカーをできると思います」と自信を口にする。

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栃木県出身の板橋。決勝ラウンドは故郷の栃木県で開催されるため、続く2試合を勝利して故郷への凱旋を望んでいる。

「1試合目引き分けましたけど、あと2試合あることをポジティブに捉えています。2勝して栃木に行ってJFL昇格を今年したいと思っています。試合はすぐ明日試合なので、切り替えます。また良い結果を皆さんに見てもらえるように頑張ります」と、きょう11日に開催される東海覇者のwyvern戦に向けて意気込んだ。

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