【速報】南シナ海の紛争最前線、アユンギン礁 中国、執拗に進路妨害

南シナ海の紛争の最前線、アユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)に向かうフィリピンの巡視船に共同通信記者が同行した。軍拠点への補給船の護衛が任務だが、中国の船団から10日、8時間にわたり、執拗な追尾や進路妨害を受けた。中国が展開したのは過去最多の38隻。上空にはフィリピンを支援する米軍の偵察機が旋回し、にらみを利かせていた。
記者が乗船したのはフィリピン沿岸警備隊で最大の全長97メートルの巡視船メルチョラ・アキノ。日本の円借款で建造し、昨年に引き渡された。同礁では10月に補給船団が中国の船に衝突される事件も起き、緊張が高まる。沿岸警備隊は軍が契約した補給船2隻を拠点に送り込むため、97メートル級を含む巡視船3隻を投入する異例の態勢を取った。沿岸警備隊は今回、中国の「極めて無謀で危険な嫌がらせ」を訴えるため、国内外のメディア16社に同行取材を認めた。

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