土砂災害、崩落に備え 奥能登で緊急援助隊が合同訓練

がれきに埋まった人の救助訓練を行う隊員=珠洲市宝立町

  ●能登、珠洲で7県330人参加

 消防庁などの緊急消防援助隊中部ブロック合同訓練は11日、能登町を中心に行われ、石川など北陸東海7県の消防や警察、自衛隊など約330人が豪雨と地震による複合災害発生時の連携を確認した。5月の奥能登地震で大きな被害に見舞われた地域で、参加者はがれきに埋まった人の救出や崩落したトンネルでの救助活動を実践した。

 石川で合同訓練が行われるのは2014年以来9年ぶりで、県防災総合訓練と合わせて実施された。参加者は線状降水帯による豪雨のさなかに能登町で震度6強の地震が発生したとの想定で訓練に当たり、7県から救助隊が駆け付けた。

 珠洲市宝立町の丸石資材採石場では、地盤の緩みと大きな揺れによる土砂災害の対応訓練が行われ、参加者ががれきの下敷きとなった車をシャベルで掘り起こした。

 現場に設けられた指揮所には次々と被害の報告が入り、車にかぶさったがれきを取り除く隊員に「走行中の事故との情報。必ず要救助者がいる」などと伝えた。救助車両が通行するためにがれきをショベルカーで除去したり、ドローンで周囲の被害状況を確認したりする訓練も行われた。

 能登町の北河内トンネルでは、隊員がエンジンカッターや削岩機を使って崩落したコンクリート壁に穴を空け、通行できるようにした。トンネル入り口で土砂崩れに巻き込まれた大型バスの救助訓練では、災害派遣医療チーム(DMAT)が搬送者を治療した。

 12日は宇出津新港や能登高で県防災総合訓練が行われる。

コンクリート壁に穴を空ける隊員=能登町の北河内トンネル

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