がん患者、手作りケア帽子で応援 わた帽子の会、青森・つがる市に31点寄付

わた帽子の会が寄付したケア帽子。奥は(左から)成田民生部長、赤石会長、長内会長、つがる市国保年金課の川村博文課長

 抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けた人たちに使ってもらうケア帽子の普及を進めている「わた帽子の会」(赤石敏子会長)は9日、青森県つがる市に帽子31点を寄付した。同市が県内自治体で初めて、がん治療に伴う脱毛で医療用ウィッグ(かつら)を購入した人に費用の一部を助成している-などと報じた昨年の東奥日報の記事を読んだことがきっかけ。赤石会長(76)=弘前市在住=は「帽子は全て手作り。ストックがたくさんあり、がん患者を応援したかった」と話した。

 ケア帽子は冬用のニット帽をはじめ夏用などさまざま。色、柄も豊富だ。赤石会長によると、帽子は1点2500~3千円で市販されており、安価ではない。赤石会長のほか、がん患者とその家族でつくる「ろくつがるの会」の長内道子会長(74)=五所川原市在住=がつがる市役所を訪れ、成田毅彦民生部長らに帽子を手渡した。

 赤石会長は、乳がんを患い抗がん剤の副作用で苦しんだ自身の経験に触れ、「帽子を使う人が気持ちよく使ってほしい。来年、また寄付したい」と語り、成田民生部長は「大切に使わせてもらう」と感謝した。市は国保年金課の窓口に帽子を展示し、希望者に無償で提供する予定。

 ろくつがるの会は、帽子の素材となる生地の提供を呼びかけている。送り先は郵便番号037-0024、五所川原市みどり町4の37、長内道子さん宛て。問い合わせは長内さん(電話0173-35-7264)へ。

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