青森県警交通機動隊・佐々木万智子巡査長、白バイ全国大会でバランス走行V 圧巻999点

全国白バイ安全運転競技大会のバランス走行操縦競技で、優勝した佐々木巡査長=7日、青森市三内

 白バイ隊員が運転技術を競う今年の「全国白バイ安全運転競技大会」で、青森県警交通機動隊青森方面隊の佐々木万智子巡査長(27)が、女性の部の「バランス走行操縦」競技で優勝した。全国の精鋭らの頂点に立った佐々木さんは「白バイ隊員になって4年弱。日頃、積み重ねてきた訓練が自信につながった」と喜びを語った。

 大会は10月に茨城県ひたちなか市で開かれ、女性の部には約50人が参加。8の字や旋回などのポイントが設けられたコースで、バランス技術を競うバランス走行操縦と、体を傾けてS字などの曲線コースを走る「傾斜走行操縦」の2種目を行った。

 大会には最大3回しか出場できない規定があり、佐々木さんは今回がラストイヤー。懸ける思いは人一倍だった。

 傾斜走行は転倒して失格となったものの、バランス走行では巧みな技術を披露し、ノーミスで完走。千点満点のうち、999点と高得点で圧勝した。「総合順位に絡めず残念だったけれど、力は出し切れた」とすがすがしかった。

 平内町出身。高校時代、同級生を交通事故で亡くした。「こんなに悲しい思いをする死亡事故が起きてはならない」と警察官の道を志した。警察学校の担当教官が元白バイ隊員だったことで憧れを抱き、自身も白バイ隊員に。大会で上位を目指す「特別訓練員」として特訓を積んできた。

 訓練は日頃の取り締まり業務の傍ら行い、大会前は午前7時から日が暮れるまで取り組んだ。身長157センチと小柄なため、白バイにまたがっても「少ししか足が地面につかない」という。始めは、約350キロの車体を起こすことさえも一苦労だった。

 県警の交通機動隊には現在、男性20人、女性6人の計26人が所属。雪国の青森県は冬季の訓練ができないデメリットもあるが、過去の大会で総合優勝者を複数輩出するなど、技術は全国トップレベルだ。

 訓練で磨いた技術は、取り締まり業務にも生かされている。佐々木さんは「取り締まりは嫌がられることが多いが、小さな違反を見逃さずドライバーに声がけすることで、悲惨な事故を防いでいる。一つでも事故を減らすため、後輩に技術をつないでいきたい」と語った。

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