河野行革相、全基金の見直し表明 予算無駄点検の議論終了

「秋の行政事業レビュー」で発言する河野行革相=12日午後、東京・永田町

 政府は12日、予算執行の無駄や事業効果を外部有識者が公開点検する「秋の行政事業レビュー」を東京都内で実施し、2日間の議論を終えた。河野太郎行政改革担当相は記者会見で、国が中長期的な政策推進のために積み立てている基金事業に関し「全ての基金で点検、見直しをする」と表明した。近く点検ルールを策定し、着手する。

 基金は単年度予算の例外として扱われる。2022年度末時点で基金事業は180超あり、残高は計約16兆6千億円に上る。2日間のレビューでは、有識者から改善を求める指摘が相次いだ。

 河野氏は会見で「基金の約3割は期間の定めがない。期間を決め、どういう成果を上げるかを明確にする必要がある」と強調。成果目標や検証のサイクルも設定すべきだとの認識を示した。「レビューでの指摘は2024年度予算案に反映できるようにしたい」とも述べた。

 2日目のレビューでは、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の事業転換を支援する補助金を巡り、有識者が新規採択をいったん停止すべきだと提言した。

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