【中国】吉本が上海でお笑いライブ、海外最大規模[社会]

吉本興業が上海でお笑いライブを開催している。吉本新喜劇のほか、漫才、コントなどの公演も行う。写真は吉本新喜劇の公演の様子=12日、上海市浦東新区

吉本興業が11日から上海市でお笑いライブを開催している。19日まで同市で7回の公演を実施する予定。吉本新喜劇、コント、漫才などさまざまな公演を行う。吉本興業がこうした多様な公演を海外都市で立て続けに行うのは初めて。

中国メディアの上海広播電視台(上海メディアグループ、SMG)が中国内外の団体を招いて開いている「第9回上海国際コメディーフェスティバル」の枠組みの中で、吉本興業が公演を行っている。

吉本興業は2019年の「第5回上海国際コメディーフェスティバル」でも公演を実施。新型コロナウイルスの影響がなくなったことを機に、再び同フェスティバルに参加した。

19年は吉本新喜劇の公演だけを行ったが、今年は吉本新喜劇のほか、コントの公演、漫才の公演、人気芸人の陳内智則さんの単独公演、バラエティーショーの公演を実施する。バラエティーショーには、今年英国で人気を博したとにかく明るい安村さんも参加する。

観客の反応は上々だ。11~12日は浦東新区臨港演芸センターで吉本新喜劇の公演が行われ、多くの中国人のお笑い好きが訪れた。ステージの両脇には中国語字幕が表示され、出演者も時折中国語を使って観客の笑いを取った。

吉本新喜劇の俳優・末成映薫さんは12日の演目終了後、観客の反応について「お笑いに国境はない」と感慨深く語った。

■国際事業強化、国内でも外国人呼び込み

吉本興業が今回上海でのライブに力を注いだ背景には、国際事業を強化したいとの同社の意向がある。

海外でのライブはコストがかさむ部分があるものの、仲良平・取締役(海外事業本部本部長なども兼任)は世界に吉本のお笑いをPRできる貴重な機会になると強調した。

仲氏はさらに、最近は国内のライブにも外国人が訪れるようになっていると指摘。国内外での“笑いのつぼ”の違いや、言葉の違いの乗り越え方などの部分で、海外ライブで得た知見を国内ライブにも生かしていきたいとの意向を示した。

吉本興業は今年から、訪日外国人や在日外国人の呼び込みを狙いにしたコメディーショー『Yoshimoto Comedy Night「OWARAI」』を東京や大阪で開催している。

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