今季初のセビージャダービーは痛み分け…好調ベティス優勢もラキティッチが意地のゴラッソ【ラ・リーガ】

[写真:Getty Images]

ラ・リーガ第13節、セビージャvsレアル・ベティスが12日にサンチェス・ピスフアンで行われ、1-1のドローに終わった。

15位のセビージャと6位のベティスによる今シーズン最初のエル・グラン・デルビ。

第10節からディエゴ・アロンソ新監督を招へいも、ここまで公式戦1勝2分け3敗と監督交代の結果が出ていないセビージャ。前節は後半半ばに退場者を出したセルタ相手にドロー止まり、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではアーセナルに0-2の完敗と厳しい状況でホーム開催のダービーに臨んだ。なお、ヘスス・ナバスやラキティッチら重鎮がスタメン起用も、コンディションに問題を抱えるセルヒオ・ラモスはベンチスタートとなった。

対するベティスは開幕数試合では思うように結果を残せずにいたが、9月下旬以降は公式戦11試合無敗と復調。前節はマジョルカに2-0、直近のヨーロッパリーグ(EL)ではアリス・リマソール相手に4-1と公式戦5連勝で敵地でのダービーを最高の形で迎えた。なお、昨季途中にセビージャと袂を分かった絶好調のイスコが古巣の本拠地初帰還となった。

セビジスタの熱狂的な空気とは裏腹に比較的静かな入りとなった今季最初のダービー。ここ最近の調子を反映するようにベティスが押し気味に試合を進めるなか、15分にはセットプレーの二次攻撃からベジェリンのミドルシュートが相手DFにディフレクトしてゴールネットを揺らす。だが、早い時間帯の先制点かに思われたこの場面はFKを蹴ったタイミングでのギド・ロドリゲスのオフサイドによってゴールは認められず。

その後はセビージャも押し返して一進一退の攻防となるが、30分過ぎにベティスにビッグチャンス。右サイドのイスコがボックス左に走り込むミランダへ絶妙な斜めのパスを供給。これをミランダがスライディングシュートで合わすが、GKドミトロビッチの好守に遭う。さらに、すぐさまこぼれ球を蹴り込みにいくが、ここは枠を捉え切れない。

前半終盤にかけてはベティスがイスコを起点にボックス付近で際どいシーンを幾度か作り出したが、セビージャの守備陣も身体を張った対応で最後のところはやらせず。試合はゴールレスでの折り返しとなった。

互いに選手交代なしで臨んだ後半も試合展開に大きな変化はなし。ただ、より効果的な崩しを見せるベティスは57分、イスコの見事な中央突破からボックス手前でボールを引き取ったアジョセ・ペレスに決定機。巧みな切り返しでDFを外して左足を振り抜くが、このシュートは惜しくも右ポストを掠める。

後半半ばを過ぎて互いに選手交代で流れに変化を加えようとするなか、先にゴールをこじ開けたのはベティス。72分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でサインプレーからイスコがクロスを供給。GKドミトロビッチのパンチングが短くなったところに詰めたアジョセ・ペレスが右足ダイレクトシュートを叩き込んだ。

守勢のなかで耐え切れずに先制を許したセビージャだったが、頼れるベテランMFが鮮烈なゴールを決める。79分、相手陣内中央左で仕掛けたルケバキオから横パスを受けたラキティッチがペナルティアーク手前で右足を一閃。鋭いシュートがゴール左上隅の完璧なコースを射抜いた。

このゴラッソで振り出しに戻った試合は、後半終盤にかけてダービーらしい球際の激しさとよりオープンな攻防が繰り広げられる。だが、互いに相手の集中した守備を崩し切るまでには至らない。ミドルの名手グデリが終盤に放ったシュートも枠を捉え切れず、今季最初のエル・グラン・デルビは1-1のドロー決着となった。

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