郷土の未来へ発想 「未利用海産物の活用」「子ども向けイベント」… 中五島高生が学習成果発表

壇上で発表する生徒ら=新上五島町

 新上五島町宿ノ浦郷の県立中五島高(井崎健一郎校長、59人)で8日、よりよい町づくりを考える「パブリックワーク」に取り組んだ2年生15人が学習の成果を発表した。
 郷土の課題を見つめ解決しようとする力や町の活性化に取り組む態度を身に付ける学習活動。4班に分かれ、各班で掲げたテーマに沿って情報収集、分析を進めてきた。町職員や民間業者らのアドバイス、協力を受けながら解決策を探った。
 発表会には保護者ら計約80人も参加した。田中誠遥(まさみち)さん(16)のグループは「未利用海産物を使った堆肥の制作」を立案。自作のコンポストに未利用魚を入れ、発酵の進み具合などを調査。完成した堆肥でキュウリの栽培実験も行い、発表に盛り込んだ。
 田中さんは「私たちの発想を、地域の人たちの力を借りながら一緒に実現させていきたい。未利用魚の食用についても挑戦してみたい」と話した。
 子どもが楽しめるイベントや、町内の観光資源の生かし方、日本遺産などについての発表もあった。
 石田信明町長は「町の現状を見つめて知恵を出し合った様子が感じられ、素晴らしいプレゼンテーションだった。皆さんが住み続けたいと思える故郷であるために、提案を真摯(しんし)に受け止め、全力で取り組みたい」とお礼を述べた。

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