京都・祇園祭の山鉾連合会が創設100年、記念催しで次の100年に思い新た

祇園祭山鉾連合会の100年の歴史をたどったシンポジウム(11日、京都市中京区)

 祇園祭山鉾連合会の創設100年を記念した催しが11日、京都市中京区のホテルで開かれた。山鉾の関係者や学識者は、近代の歴史と社会環境の変化に対応してきた歩みをたどりながら、次の世代へ受け継ぐ思いを新たにした。

 大正期の1923年に組織された同連合会は、各山や鉾の財政基盤となっていた「寄り町」制度が廃止された後、行政からの補助金の受け皿となった。

 木村幾次郎理事長はあいさつで新型コロナウイルス禍に触れ、「苦しい中止・縮小を団結して乗り越え、ようやく通常通り巡行できた」と感慨深そうに振り返り、「困難を克服した先人を思い起こし、次なる100年へとつなげたい」と述べた。

 連合会は近現代の資料を調査する事業に取り組んでいる。調査に携わる学識者や専門家らによるシンポジウムでは、明治維新後の京都の人口減や市電の開通、町衆の思いなどについて、新たにわかったことや解釈が報告された。

 京都市は、特別功労者として、連合会理事長を務めた深見茂さん、吉田孝次郎さん、岸本吉博さんを表彰した。

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