山村の「昔の知恵」伝承 宮古・北上山地民俗資料館が企画展

地域の生活文化を伝える活動の大切さを語り合う友の会のメンバー

 岩手県宮古市川井の北上山地民俗資料館(鎌田祐二館長)は企画展「失われゆく道具や技術」を同館で開いている。火を付けて蚊よけに使った「蚊ゆぶしキノコ」など、山村に暮らす人たちの昔の知恵や技術について住民から聞き取った記録を紹介。結成10年を迎えた同館ボランティア団体「小国分館友の会」の活動にも触れ、暮らしの移り変わりと共に、生活文化の伝承の意義を伝えている。

 2階企画展示室に民具など約30点が並ぶ。「蚊ゆぶし」と呼ばれたのはサルノコシカケ科のキノコで、入山時などに煙をくゆらせて蚊取り線香のように使用されたと紹介。木の枝などに取り付け、腰帯に差して携帯する様子を写真で見せている。

 山作業時などにすねに巻いてけが防止や防寒に使った「はばき」を織る道具にも光を当て、研究者の解説文と共に紹介する。

 展示は12月24日まで。入館料は一般200円、学生150円(高校生以下無料)。月曜休館。

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