【エリザベス女王杯レース回顧】ルメール騎手、流石の立ち回り…ブレイディヴェーグが戴冠

最内枠から綺麗に1、2、3着とロスなく好位で立ち回った馬が上位を独占。レース全体はスローからの長くいい脚を使う能力が求められ、ラスト4Fからのロングスパート勝負。外を回される馬にはやや厳しかった。

勝利したブレイディヴェーグも言ってしまえば重賞2着の実績とはいえ、まだ2勝しかしていない馬。能力が結果的に飛び抜けていたと同時に、ルメール騎手の立ち回りも見事だった。

スタートからのポジション取りもお見事

エリザベス女王杯・ブレイディヴェーグとC.ルメール騎手 (C)masamasa

スタートはやや伸び上がるような飛び出しにも慌てることなく出していきリカバリー。好位5番手を取ったところで勝負あったか。枠なりに終始ロスもなく、勝負どころから直線入口の立ち回りもお見事で、ハーパーの後ろから綺麗に進路を切り開いてあっさりと差し切った。人馬一体の素晴らしいレース運びだった。

2着ルージュエヴァイユもやはりロスのない形で立ち回れたことが大きかったか。勝ち馬を見ながら内ラチ沿いを進出。このコース、展開の中でロスが少なかった分、最後までしっかりと伸びた。

3着ハーパーも同様。好枠から好位3番手。直線では馬場の良い外目に持ち出されて伸びたが、上位2頭には伸び負けた。立ち回りに非の打ち所はなかったように見え、今日のところは力負け感がある。3歳世代の物差しとなるような馬で、どんな条件でも好走する素晴らしい能力の持ち主。来年は楽しみな存在になっていきそうだ。

上位との枠の差は大きく…

エリザベス女王杯を勝利したブレイディヴェーグ (C)masamasa

4着ライラックは昨年の2着馬。条件も合っていて、当然このメンバーでは能力上位。枠のせいもあったか、あまりポジションも取れずで、最後までそこが響いた印象。この展開で4角ほぼ最後方に近いところにいては厳しかったか。力で伸びてきて来た。

5着ジェラルディーナは痛恨の出遅れ。それでもしっかりとリカバリーして1コーナーでは後方6番手。終始外を回される形にも、向こう正面から押し上げて行く意識はしっかりと感じ取れ、勝負どころでもなんとか勝負圏内には上がってきていた。しかし、スローのロンスパ勝負で、あれだけ外外ではしんどい。5着でもよくここまで来たなという印象の方が強く、昨年の女王が能力の高さは示した。

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