天才子役誕生 母親を失った男の子を演じた3歳児 「ぼくは君たちを憎まないことにした」場面写真

家族3人で幸せに暮らしていたアントワーヌが、テロ発生から2週間の出来事をつづった同名ベストセラーの映画化作「ぼくは君たちを憎まないことにした」(公開中)から、母親を失ったメルヴィルを演じたゾーエ・イオリオを捉えた場面写真が公開された。

劇中のメルヴィルは1歳の男の子だが、ゾーエは女の子で撮影当時は3歳。監督は、フランス、ドイツ、ベルギー、スイスでオーディションを行い、ゾーエを見つけ、「初めて見た瞬間から、この子だ!と誰もが確信したのを覚えている」と語っている。また、「ゾーエは他の子たちとは違って、大人の俳優のようにシーンを理解して感情を表現したんだ。とても器用で賢くて、自分の考えを表現できる特別な3歳児だった」と、撮影を振り返っている。

「ぼくは君たちを憎まないことにした」は、最愛の人を予想もしないタイミングで失った時、その事実をどう受け入れ、次の行動に出るのかを描いた作品。2015年、ジャーナリストのアントワーヌ・レリスと息子のメルヴィルは、最高の母であり、最愛の妻であるエリーヌを自爆テロで失う。誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これからの育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始める。妻の命を奪ったテロリストへの手紙は、息子と二人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージだった。一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ったアントワーヌの「憎しみを贈らない」という詩的な宣言は、動揺するパリの人々を落ち着かせせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていくことになる。

混乱するアントワーヌの内面を映画化したのは、マラソンに挑戦する老人たちをほのぼのと描いたコメディ「陽だまりハウスでマラソンを」のキリアン・リートホーフ監督。アントワーヌの手記は、メルヴィンと同じ年頃の娘を持つリートホーフ監督の心を打ち、監督はすぐさま映画化を決断したという。「万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-」で綾瀬はるかと共演したピエール・ドゥラドンシャンが主演、カメリア・ジョルダーナ、撮影当時3歳のゾーエ・イオリオらが出演する。

【作品情報】
ぼくは君たちを憎まないことにした
2023年11月10日(金)より公開中
配給:アルバトロス・フィルム
©2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal Film und Fernsehproduktion

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