那須高原小6年生 15日、食のイベントでサツマイモ販売 収益で校舎の壁時計新調へ

15日のなすとらん倶楽部わいわいフェアでサツマイモを販売する那須高原小の6年生

 【那須】学校の困りごとを自分たちの力で解決しようと、那須高原小の6年生15人は高久乙の道の駅「那須高原友愛の森」で15日に開かれる食のイベント「なすとらん倶楽部(くらぶ)わいわいフェア」に参加し、学校の畑で全校児童が育てたサツマイモ約200本を販売する。収益は古くなった校舎の壁時計を新調する費用に充てる予定で、教職員や地域住民も児童の挑戦を応援している。

 きっかけは7、10月に開かれた同校学校運営協議会の会合で5、6年生が行った「困りごと・お願いごとプレゼンテーション」。本年度赴任した遠藤克朗(えんどうかつあき)校長(57)が発案した取り組みだった。

 児童から図書室の蔵書の充実やプールの補修など学校の施設整備に関する意見や要望が上がった中、同協議会メンバーが「費用を捻出するため、学校で収穫したサツマイモを売ってはどうか」と提案。同協議会会長で、わいわいフェアを主催するボランティア団体「なすとらん倶楽部」会員でもある小川智恵子(おがわちえこ)さん(52)の後押しで、6年生が同フェアに販売ブースを出すことになった。

 サツマイモの販売価格は1本100円。収益の使い道を検討した結果、多くの児童から「校庭から見えづらく、時間が分かりにくい」との声が寄せられていた校舎の壁時計を新しくすることに決定した。費用は約10万円かかるが、足りない分は空き缶回収やバザーなどを行って補うという。

 児童は販売するサツマイモを1本ずつ袋に入れ、それぞれにPRコメントを書いたメモを同封。大森梨花(おおもりりんか)さん(12)は「自分たちで頑張ったことが形に残ることがうれしい。たくさんの人に買ってほしい」と願う。このほか、同フェアに出店する12店舗のうち4店舗は、同校のサツマイモを使った大学芋やいなりずしなどの料理を提供する。

 遠藤校長は「子どもが自分で汗をかいて希望を実現することが何よりの経験。6年生が卒業するまでに新しい時計をお披露目したい」と関係者の協力に感謝する。小川さんは「子どもたちが参加してくれることで、わいわいフェアもいつも以上に盛り上がるのでは」と期待を膨らませていた。

 午前10時~午後2時。

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