【特集】高校No.1サックス奏者・森愛理さん(18) 音楽を通してかなえたい夢とは 香川

香川県坂出市の高校に全国1位に輝いたサックス奏者がいます。音楽を通して叶えたい彼女の夢とは……。

アルトサックス奏者・森愛理さん。現在、18歳の高校3年生です。

10月にサンポート高松で開かれた音楽イベント「サンポートオータムジャム」。さまざまな音楽ユニットが演奏を披露する中、森さんは特別ゲストとして出演。「のびやか」かつ「迫力ある音色」で多くの人を魅了しました。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「すごい皆さん笑顔で聞いてくださって拍手とかもしてくださったので、自分たちが楽しんでいるだけじゃなくて、聞いてくださっている方々も楽しんでくださっているのがすごい伝わってきて」

森さんは2023年3月に開かれた「全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」で、「高校生の部・木管楽器部門」で1位に輝くなど、数々のコンクールで賞を獲得してきた“高校日本一”のサックス奏者です。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「音楽っていうのは誰でも・誰とでも共有できて、誰でもみんなで一体になって楽しめるものだと思うので、この場にいるみんなで音楽を共有している感じがして楽しかったです」

森さんが通うのは坂出高校の音楽科。森さんは学年ではただ一人、サックス専攻として入学しました。

(後輩はー)
「技術も高いし、人間性も本当にしっかりしていて、漫画の中にいる女の子みたいな」
「もう完璧でそれこそ非の打ちどころがなくて、音色がもちろん素晴らしいのもあるんですけど、テクニックも素晴らしくて、どこを抜き取っても理想」

所属していた吹奏楽部は、10月の全日本吹奏楽コンクールを最後に引退しましたが、東京芸術大学への進学を目指し、引退後も日々練習しています。

そんな森さんの音楽との出会いは……。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「音楽を最初にやったのは2歳か3歳のときからエレクトーンを始めて」

幼いころから音楽に触れてきた森さん。サックスと出会ったのは小学4年のときでした。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「小学校の全校朝会みたいな、そのときに吹奏楽部の演奏を聞いて、やっぱり吹奏楽したいなと思って。最初はフルートとかトランペットとかがしたくて、いかにも花形みたいな…。でも、その全校朝会での演奏を聞いたときにめちゃくちゃかっこいいなみたいな、音とか形とか全部そうですし、一瞬で魅了されて」

その後の森さんはサックス一筋です。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「サックスの音の魅力が『バン』って出る音っていうのが、ときどきあるんですよ『今めちゃくちゃいい音出た!』みたいな。もう自分には、めちゃくちゃ向いていないって思う瞬間も練習してたらあるんですけど、でもやっぱりこの楽器を吹いてみんなに私の音を聞いてもらってっていうのが好きだなって思う瞬間がたくさんある」

高校で森さんを指導する中村ひかる先生……。同学年にサックス専攻がいない中で、3年間、二人三脚で練習を積み重ねてきました。

(高校3年間 森さんを指導/中村ひかる 先生)
「明るい・元気っていうところが第一印象。すごいしっかりしているんですけど、まあ実はおっちょこちょいなところもあったりとか、ちょっと朝弱かったりとか、おしゃべりがすごく楽しいので、ついついしゃべりすぎちゃってみたいなとかはたまにありますね」

1時間の朝練に始まり、学校での練習、学校が終わった後も家の近くの施設を借りて練習するなど、サックス漬けの日々を送る森さん。

部活動は引退しましたが、高校の実技試験に加えて12月には全国コンクール、2024年2月には大学受験が控え、森さんは現在約30曲を同時に練習しているそうです。

その中で培われた「自信」が森さんを支えています。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「自分が納得がいくまで練習をする。誰よりもしてきたという自信があるので、緊張した中で自分の音楽を出せるっていうのは自分の中でも強みかなと思っています」

(高校3年間森さんを指導/中村ひかる 先生)
「本番になった瞬間に入るスイッチというか、ステージに出てしまうと別の人間じゃないかなというぐらいスイッチが入る」
「楽曲の中で自分がこうしよう、ああしようみたいなものが言わなくても当然あふれでてくるので、すごくスケールの大きい演奏というか、もっともっと伸びしろが本当にまだまだあると思うので」

スケール感の大きな演奏に心の強さ。今後が期待される森さんが描く将来の夢は……。

(サックス奏者/森 愛理さん)
「ずっと子どもの頃からの夢なんですけど、楽器の先生になりたくて、私は母子家庭で音楽ってめちゃくちゃお金がかかる。金銭面だけじゃなくても、本当に心から音楽が好きでしたいっていう子に音楽の楽しさとか素敵さを教えられたらいいなって。音楽が好きな人もそうじゃない人も、人生を豊かにするものだと思っていて、音楽って、やっぱり心のどこかで音楽が支えになっていたりとかすることがあると思う。1人でも多くの方に(自分の演奏を)聞いていただいて、『あ、きょう聞きにきてよかったな』『この音聞けてよかったな』って思っていただけたらいいなと思って」

Q.森さんにとってサックスとは?
「なくてはならない存在、私の人生と言って過言ではないくらい、サックスがあったから出会えた人、出会えたこととか本当に数えきれないほどあって、人生を豊かにしてくれたというか、人生そのものだと思います」

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