十八親和銀行 増収減益、9月中間決算 信用コスト増加で

中間決算を発表する山川頭取(中央)=長崎市銅座町、十八親和銀行本店

 十八親和銀行(長崎市)が13日発表した2023年9月中間決算は、売上高に当たる経常収益が前年同期比54億円増の391億円、純利益は同10億円減の61億円だった。本業のもうけを示すコア業務純益は前年並みだったが、信用コストがかさみ、増収減益決算となった。
 経常収益の増加は、有価証券利息配当金などの資金運用収益の増加が主因。コア業務純益では、貸出金や役務取引等利益などは順調に増え、経費も前年より2億円抑えた。一方で、円の長期金利上昇に伴うコスト増が影響し、前年比1億円減の88億円に着地した。
 信用コストは、物価高、エネルギーコスト上昇など今後のリスク要因に備え、12億円を繰り入れた。前年に大口の格付け変動に伴う大幅な戻し入れがあったことによる反動増もあり、32億円増えた。山川信彦頭取は「財務的に好調な企業でも内部のガバナンスやリスク管理の問題で突然悪化することもありうる。銀行が健全な危機感を持ち、早期に危機を発見・対応していく必要がある」と説明した。
 貸出金残高は1707億円増の4兆1484億円。法人向け、個人向けともに堅調に推移した。総預金残高は483億円増の5兆6926億円、個人預かり資産残高は570億円増の6121億円といずれも順調に伸びた。
 2024年3月期の業績予想は、純利益を当初予想より35億円少ない90億円に下方修正した。ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)全体で有価証券のポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)を入れ替え、売却損を計上したため。

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