新商品開発へ市場調査 県よろず支援拠点 第1弾、おばねやの漬物 “宝石イメージ”したピクルス 

ワイン仕立てのゴボウのピクルス「ジュエルドピクルス」

 中小企業・小規模事業者の経営課題の相談に無料で応じる県よろず支援拠点(宇都宮市ゆいの杜(もり)1丁目、須田秀規(すだひでのり)チーフコーディネーター)は、県内企業の新商品開発に向けたマーケティング調査の支援に乗り出す。ノウハウなどのない事業者を後押しし、売り上げ拡大につなげる。第1弾として漬物・総菜加工品製造のおばねや(小山市神鳥谷(ひととのや)、野澤勇二郎(のざわゆうじろう)社長)の商品のブラッシュアップを進めている。

 同拠点によると、商品開発に関する相談を受ける中、事業者のみで考案した新商品が売り上げに結びつかない事例は少なくない。消費者ニーズを把握するマーケティングの取り組みが足りない側面が浮き彫りになっている一方、ノウハウなどがない事業者もいるため、同拠点は手始めに、食分野を対象に支援を決めた。

 第1弾となるおばねやの商品は、ワイン仕立てのゴボウのピクルス「ジュエルドピクルス」。宝石をイメージして開発し、4月に発売した。コンセプトについて同社の示野雅代(しめのまさよ)取締役企画室長は「ラグジュアリーな高級感を提供し、日常から離れた特別なひとときを届けたい」と説明。「漬物に対する古いイメージを根本から変えたい」と話す。

 同商品の発売を受け、マーケティング調査の支援を検討していた同拠点が、同社に声をかけたという。

 同拠点は、戦略全般を助言する中小企業診断士、パッケージなどを専門とするデザイナー、味に関するフードディレクター、交流サイト(SNS)などによる情報発信を支援するITコーディネーターらでチームをつくり、8月に支援を開始。テストマーケティング会場を調整したり、消費者ニーズの調査方法や展示ブースの演出の仕方をサポートしたりしている。

 同社は23~26日、宇都宮市新里町の道の駅うつのみやろまんちっく村で試食を提供しながら、消費者ニーズを調査する。結果を踏まえ、同拠点は商品の磨き上げを伴走支援していく。須田チーフコーディネーターは「新商品をヒットさせるにはマーケティング調査が欠かせない。良い結果に結び付く事例を増やしていきたい」と話している。

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