青森県病、市民病院統合 セントラルパークへの新病院整備、青森商議所が市に要望へ

 県立中央病院(青森市東造道)と青森市民病院(同市勝田)の統合新病院整備を巡り、青森商工会議所(倉橋純造会頭)が青森市に対し、立地候補地の一つに挙げられている青い森セントラルパークへの整備を求めることが13日、分かった。併せて、同パークに青い森鉄道の新駅設置を求める。同商議所は、17日に開く西秀記市長を囲む懇談会で要望書を提出する予定。

 新病院の整備場所についてはこれまで、青い森セントラルパーク、旧青森商業高・県病敷地エリア、県総合運動公園の県有地3カ所を候補地として検討が進められてきた。しかし、いずれも災害発生時に被災リスクがあることなどから、県は検討内容の見直しを表明。9月の県議会一般質問で宮下宗一郎知事は、同パークとその周辺が洪水時の浸水想定区域内に位置することを挙げ、救急搬送への影響などを課題として指摘していた。

 同商議所は、同パークについて▽市中心部に位置し、新駅設置で利便性の向上が期待できる▽八甲田山中に2031年に完成予定の駒込ダムにより洪水時の浸水被害の軽減が見込まれる-などから「新病院の整備に優位性がある」として意見を示す方針。

 同パークの県有地に隣接する市有地では現在、市が24年7月利用開始予定の「市総合体育館」を建設中だ。市は体育館の近くに青い森鉄道の新駅整備の早期実現を目指しており、市にとっても同パークはまちづくりの重要拠点となっている。

 統合新病院の整備場所に関して県は青森市に対し、公共交通アクセスの在り方などを含め、市が主体的に検討するよう要請。西市長は、まちづくりの観点を踏まえて検討する姿勢を示しており、20日に整備場所の選定に向けた市の検討会議の初会合を開く。同会議でまとめた整備場所などについての意見は、県と市の有識者会議に提示する。

© 株式会社東奥日報社