青森県の小学生、陸上・桐生祥秀選手の走りに圧倒 八戸市で「かけっこ教室」

子どもたちとスタートダッシュの速さを競う桐生選手(手前右から2人目)

 陸上男子100メートルの元日本記録保持者、桐生祥秀選手(27)が11日、八戸市体育館で「かけっこ教室」を開いた。青森県内の小学生約130人が速く走るこつを学んだほか、トップアスリートの走りを間近で見て圧倒された様子だった。

 子どもたちに体を動かす楽しさを実感してもらおうと、桐生選手の所属先の日本生命が2018年から全国各地で開催し、青森県では初開催。桐生選手と、陸上短距離の元日本代表・小島茂之さん(アシックスジャパン)が講師を務めた。

 桐生選手は膝を高く上げてスキップする動作や、大股で弾むように前へ進むバウンディングなどを実演。走る時の腕振りについて「姿勢良く、真っすぐ前を見ながら振って」とアドバイスし、はつらつと体を動かす子どもたちに「いいね」と声をかけていた。

 抽選で選ばれた参加者10人とのかけっこ勝負では、桐生選手がスタートから一気に加速し、大差をつけてゴール。斉藤琉那さん(むつ市苫生小3年)は「桐生選手が大股で走るので速くて追いつけなかった」と驚き、「長距離が専門だけど、教えてもらったことを生かして大会でいいタイムを出したい」と話した。

 教室の後のトークショーでは、会場からのさまざまな質問に気さくに応じたほか、杭州アジア大会陸上男子400メートルリレーで獲得した銀メダルを参加者に触れてもらう機会を設けた。

 桐生選手の来県は、8年前に中泊町の陸上教室に参加して以来。取材に「寒くなると外で遊ぶ機会が少ないと思うので、いろいろな体験をしながら体を動かすことが大事。今日みんなで楽しくわいわいできたことが思い出に残ってくれたら」と語った。

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