11月10日からスタートした地域サッカーチャンピオンズリーグ。JFLへの昇格をかけて全国から12クラブが集まり、3つの会場で予選ラウンドが行われた。
その滋賀会場となる平和堂HATOスタジアムに集まった4チームは、関西リーグの王者であるアルテリーヴォ和歌山のほか、ジョイフル本田つくばFC、BTOP北海道、福井ユナイテッドFC。
その中でもっとも「地域サッカーチャンピオンズリーグの常連」といえる存在が北信越リーグ王者の福井ユナイテッドFCだ。
前身となるサウルコス福井時代から10回の北信越リーグ優勝を果たしてきたが、JFL昇格という目標に挑むたびにこの大会の壁に跳ね返されてきた。
クラブが福井ユナイテッドとして生まれ変わってから5年目となる2023年は、北信越リーグで10勝3分け1敗と最終節を待たずに優勝が決定。
苦手としているアルティスタ浅間には1分け1敗と勝てなかったものの、それ以外のすべてのチームに無敗。14試合でわずか9失点に抑え、3位で終えた昨年以上の勝負強さで首位の座を勝ち取った。
藤吉信次監督体制での2年目、チームはより熟成された状況で地域サッカーチャンピオンズリーグに臨むことになった。
ただ、滋賀会場の第1節となったアルテリーヴォ和歌山戦で0-0のスコアレスドローに終わり、苦しいスタートを喫してしまう。
そして迎えた第2節ではBTOP北海道を相手に2-1と勝利。阿野真礼の鮮やかな左足のカットインシュートで先制し、そして北川滉平のヘディング弾で追加点。一時は2-0とリードした。
ただ、その終盤にBTOP北海道のパワープレーで1点を失ったため、総得点差でグループ2位となってしまう。結果的にはこれが大きく響くことになった。
そして迎えた最終節、勝点で並ぶ首位ジョイフル本田つくばFCを相手に前半で先制を許すと、終盤に大石治寿の同点弾で追いつくも勝ち切ることができず。
最終的には総得点差わずか1でジョイフル本田つくばFCに上回られ、福井ユナイテッドFCはグループ2位で大会を去ることになった。
福井ユナイテッドを指揮して2年目、現体制で初となる地域サッカーチャンピオンズリーグを戦った藤吉信次監督は、試合終了後の記者会見で以下のように話していた。
――3試合の統括は
決勝ラウンドに行かなければいけない状況だったので、非常に残念です。
ただ選手たちには本当に感謝しています。自分で言うのも何ですが、監督として見ていて『素晴らしいチームだな』と思いながら見ていました。
この大会に向けて福井の人々がとてもいいサポートをしてくれました。グラウンドを提供してくれたり、応援の催し物をしてくれたり、お守りを作ってくれたり。
フロントの方々もいろんな面で僕たちがやりやすいようにしてくれて、サポーターもまるでホームのような雰囲気を作ってくれました。他にはない環境でできたことを本当に感謝しています。
特に選手、そしてスタッフ。本当に寝ずに分析してくれた。ただ、やはり決勝ラウンドに行かなければいけないと思っていたので、残念です。
――足りなかったことは
勝てなかったことが一番足りなかったものです。そして、点を獲る、失点を防ぐという点もそうです。
ゲーム内容であったり、試合の運び方であったり、そこは誇れると思います。スゴいチームが作れました。
しかし結果がすべての世界ですから、そこが足りなかった。指揮をとっているのは自分なので、僕が一番いけなかった。
――3試合スタメンを変えずに臨んだ。その理由と評価は
毎日試合をするというのはもちろん大変ですが、僕も選手としてやったことはありますし、可能なものです。相手も同じですからね。
実際に3試合ともしっかり普通にプレーしてくれましたし、全然気にすることはありませんでした。途中出場の選手も頑張ってくれましたし、3試合ともいいゲームが出来ました。ただ、結果がついてこなかったことが残念です。
――新体制発表のときに「学びを止めない事が大事」と仰っていました。この3試合で学んだものは
違う采配をしていたら、また違った結果になっただろうし、色々なところで指導者としてもっと成長しなければいけないと思います。
本当に結果が全てなので、内容がいいとか、ボールを持てるとか、そんなことは関係ないんですよね。
でも、やっぱり良いサッカーをしないと未来がない。それは両方とも追い求めていくものですが、その中でもやっぱり勝たなければいけない。
それはしっかり学んで、自分も成長していきたいと思います。
――サポーターに向けて
最後の最後まで一緒に戦ってくれました。僕だけではなく、選手もスタッフも全員がそう思っています。
大きな後押しをしてくれましたし、サポーターがいなければこのような熱い試合は出来なかった。本当にすべての福井の人達に感謝したいと思います。
――ありがとうございました!
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地域サッカーチャンピオンズリーグ2023の決勝ラウンドは11月22日、24日、26日に行われる予定だ。会場は宇都宮市の栃木県グリーンスタジアムとなっている。