不二硝子<5212>、MBOで株式を非公開化

不二硝子は14日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。小熊信一社長が設立した買収目的会社のスカイ(東京都墨田区)がTOB(株式公開買い付け)を行い、小熊氏の所有分(53.48%)を除く残る46.52%の株式を取得する。買付代金は最大16億2573万円。薬価改定による医療費抑制の要請が強まる中、不二硝子が主力事業とする医薬容器についても今後厳しい事業環境が予想されており、非公開化して経営改革を加速する。

不二硝子株の買付価格は1株につき1700円で、TOB公表前日の終値1255円に35.46%のプレミアムを加えた。買付予定数は95万6314株。下限は所有割合13.19%にあたる27万1107株で、TOBに不応募の小熊社長の所有分と合わせて66.67%となる。買付期間は11月15日~12月27日の30営業日。決済の開始日は2024年1月9日。公開買付代理人はみずほ証券。

不二硝子はTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。

不二硝子は1916(大正5)年に硬質ガラスの製造を目的に設立された中野硬質硝子製造所を起源とする。1942年に戦時下の企業整備令に基づき不二硝子に改組された。薬剤の包装容器メーカーとして歩み、アンプル、管瓶、試験管、理化学医療用ガラスなどを主要製品とする。

1962年に株式を店頭登録し、2004年にジャスダック市場に上場。2022年4月に東証スタンダード市場に移行した。

© 株式会社ストライク