世界ジオ発信へファッションショー 牛首紬×元エルメスデザイナー

牛首紬を使った洋服。ファッションショーでも華やかな衣装が披露される

 ユネスコの世界ジオパークに認定された「白山手取川ジオ」を発信しようと、白峰伝統の「牛首紬(うしくびつむぎ)」で仕立てた洋服のファッションショーが19日、白山市内で開催される。県指定無形文化財の絹織物をエルメスの元デザイナーが加工し、新たな活路を示す。市は伝統工芸展(北國新聞社後援)のメインイベントに位置付け、この地の営みをより多くの人に知ってもらう。

 伝統工芸展は18、19日の日程で松任学習センタープララを中心に開かれる。

 牛首紬は、田村敏和市長が9月、世界ジオ認定証を受けたモロッコでの国際会議のパーティーで袖を通し、白山麓の伝統工芸を世界に周知した。

 牛首紬の洋服ブランド「アルルナータ」は、エルメスでデザイナー経験がある寺西俊輔さんが2019年に設立。西山産業開発(白山市)が生産した牛首紬を生地に用いたコートやワンピースなどを手掛けている。今回は国民文化祭に合わせ、より親しみやすい形で地元の人たちに触れてもらう。

 イベントでは西山産業開発の西山博之社長と寺西さんが対談し、これまでの経緯を紹介。ファッションショーでは伝統技術を使用して作られた華やかな洋服を披露する予定だ。ショーの後には、人数限定で試着の場も設ける。

 伝統工芸展では牛首紬のほか、加賀繍、美川仏壇、檜細工、加賀獅子頭、太鼓、鶴来打刃物、こつら細工の8種類が展示される。檜細工のキーホルダー制作などの体験ブースも用意する。市の担当職員は「五感を使って工芸品に触れてもらい、市の伝統を知るきっかけにしてほしい」と来場を呼び掛けている。

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