新湊の獅子舞次世代に ドキュメンタリー映像作成へ 菓子さん「故郷の魅力伝えたい」

ドキュメンタリー映像の作成に意気込む菓子さん=射水市のクロスベイ新湊

 富山県と東京を拠点に企業のプロモーション映像などを作成する映像作家菓子雅史さん(46)は14日までに、ふるさとである射水市新湊地区の獅子舞を後世に継承するためのドキュメンタリー映像の作成に乗り出した。撮影は年明けから始める計画で、活動資金はクラウドファンディングで集める。完成した動画はユーチューブで公開し、県内外の人に関心を持ってもらうきっかけとする。

 新湊の獅子舞は県内でも歴史が古く、迫力があるため観光客の関心が高いという。市内でイベントを開催する際や富山新港にクルーズ船が寄港した際に披露されてきたが、後継者不足が課題となっている町内もある。

 菓子さんは射水市本町の出身で、子どものころには獅子舞に参加してきた。東京で映像作家としての仕事を始めてからも獅子舞が行われる5月の春季例祭に合わせて帰省し、撮影した動画を公開している。

 2年前から獅子舞の魅力をより多くの人に伝えたいとの思いが強くなった。8月に越中祭青年会副会長の五十嵐友輔さん=中新湊=と知り合い、「祭りを次世代に残していくことが重要なテーマ」ということを再認識し、ドキュメンタリー映像を作成することを決めた。

  ●クラウドファンディングで資金募集

 映像は約1時間の長編と10分程度の短編を作る方針で、新湊の獅子舞に関わる住民らのインタビューや練習風景、祭り当日の迫力ある映像を撮影する。獅子舞の歴史は子どもでも分かるようにアニメ映像を使う。関係者へのインタビューも行い、魅力や祭りに掛ける思いを紹介する。来年2月~5月に撮影、6月ごろの公開を目指す。試写会イベントも計画している。

 ドキュメンタリー映像の活動資金はクラウドファンディングで集めており、目標金額は300万円とした。支援者への返礼品にも新湊の民家ホテル宿泊券や飲食店の商品券などを盛り込み、射水を訪れるきっかけにもする。期間は12月25日までで、CFサイト「READYFOR」で募集する。

 菓子さんは「獅子舞の文化や歴史を100年先に語り継いでいくためにも多くの人に協力してほしい」と述べた。

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