良い年願い、切山椒 鶴岡・餅菓子作り盛ん

でんぷんの粉をまぶし、ふるいにかけて仕上げた切山椒=鶴岡市・木村屋工場

 鶴岡市内の菓子店で、師走の訪れを知らせる餅菓子「切山椒(きりさんしょう)」作りが本格化している。山椒の香りと柔らかな食感が特徴で、古くから厄払いの縁起物として地元で親しまれている。

 明治時代に市内の菓子店主が東京・浅草で売られていた切山椒から着想を得たと伝わる。良い新年が迎えられるようにとの願いを込め、市内の七日町観音堂のだるま市(12月17日)で販売され、地域に根付いた。

 老舗の木村屋(吉野隆一社長)では14日に製造を始めた。もち米などを練って寝かせた生地を機械で細かく切り、一本ずつばらけるよう白いでんぷんをまぶし、袋詰めをする。16日から1箱170グラムで販売する。黒糖味と白糖味の2種類を計2万箱生産する予定。吉野社長は「店頭に並べると今年も師走が来ると感じる。鶴岡ならではのお菓子を食べて1年間を振り返ってほしい」と話していた。

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