宇佐神宮、千歳あめに名物土産「宇佐飴」採用 細く延ばした状態でも変形しないよう改良【大分県】

宇佐神宮は今年から宇佐飴の千歳あめを七五三詣での参拝客に渡している=宇佐市南宇佐
宇佐飴の千歳あめを作る岡部嘉洋さん(左)ら=宇佐市南宇佐の是恒商店
宇佐飴で細長い千歳あめを作る岡部嘉洋さん
通常の宇佐飴

 【宇佐】宇佐神宮(宇佐市南宇佐)の七五三詣での記念品として渡される紅白の千歳あめに、今年から神宮の名物土産「宇佐飴(あめ)」が採用された。仲見世商店街で宇佐飴を製造販売している是恒商店が、形が変わりやすい粒と板状のあめを細長い状態でも変形せず保存できるように改良。同店の岡部嘉洋さん(49)は「伝統のあめを改めて知ってもらうきっかけになれば」と期待する。

 宇佐飴は麦芽ともち米で作った水あめだけを使い、昔ながらの製法で作る。一般的なあめは砂糖を入れて固まりやすくしているが、使用しない宇佐飴は時間や温度で変形しやすく、細長い千歳あめの形状を維持して保存するのが難しかった。

 是恒商店は以前から、宇佐神宮から「千歳あめを作れないか」と相談を受けていた。2020年秋に店を継いだ岡部さんが「歴史あるあめをPRする機会になる」と研究を開始。周囲の知恵を借りながら、細く延ばした状態でも形が変わらないよう工夫を施し、昨年の冬、商品化に成功した。

 機械で練り上げた後、熱いうちに手作業で延ばし、長さ20センチほどにカットする。赤いあめには県産イチゴを乾燥させた粉を混ぜ込み、色だけでなく、イチゴの香りと風味がするように仕上げた。

 神宮では七五三詣での参拝者に、お守りや破魔矢とともに紅白の千歳あめを渡している。同店は9月から製造を開始し、12月までに3回に分け約900個を納める予定。

 これまで神宮は大手菓子メーカーの商品を使ってきた。地元名物への変更は参拝者に好評という。岡部さんは「試行錯誤の成果が認められた。大変光栄でうれしい」と喜ぶ。

 神宮権禰宜(ごんねぎ)の山本宗龍さん(32)は「宇佐神宮を代表する由緒正しいあめ。子どもたちにもご加護を感じてもらいたい」と話している。

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