漢字変換、フォント変更どうするの? デジタルに戸惑う高齢者救え、シルバー人材センターの試み好評

パソコンの使い方を学ぶ高齢者たち(向日市寺戸町・永守重信市民会館)

 京都府向日市シルバー人材センターが、高齢者向けのデジタル教室に取り組んでいる。高齢者が社会のデジタル化に取り残されることが危ぶまれる中、パソコンやスマートフォンの活用スキルの向上を後押しする。

 センターが初めて主催したパソコン講座は初心者向けで、定員20人に39人の応募があり、急きょ定員を28人に増やして開いた。

 参加者は文書作成ソフトの基本的な使い方を学び、ひらがなを漢字に変換したり、文字の字体や色を変更したりして、カラフルなクリスマスカードを作成した。インターネットで天気予報や電車の乗り換え方を調べ、美術館や病院の予約にも挑戦した。

 参加者の一人(63)=物集女町=は「パソコンはまったく触ったことがなかったが、これから必要になるかもと思って参加した。いい機会になった」と笑顔で話した。

 センターは本年度、ウェブ受注の推進やウェブ入会ページの設置なども進めている。柴﨑重信事務局長は「デジタル化の進展は、使いこなせれば、出歩かずに買い物が届くなど高齢者が最も恩恵を受ける」と期待する。「パソコンスキルにたけた会員を養成し、将来的には高齢者が講師となって市民向けに教室を開催できれば」と夢が膨らむ。

 センターは今回、希望者全員が参加できなかったことから、年度内に再度、パソコン講座を開きたいという。またスマホ講座も近く企画する。

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 大山崎でもスマホ講座

 大山崎町円明寺の中央公民館では、スマートフォンの扱いに不慣れな高齢者のための体験型講習会を開いている。

 ITやコンサルタント関連の事業者が講師を務め、電源の入れ方やボタンの操作方法といった初心者のためのコースのほか、インターネットやSNS(交流サイト)の使い方を学ぶ基本コースなどがある。今後は老人福祉センター長寿苑で、20日と27日に実施する。問い合わせや申し込みは受付窓口(0120)121525。IP電話からは050(3317)1545。

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