長崎県新人演奏会 第50回記念演奏会 出演経験者の音楽家8人 地元オケと共演

アンコールでは出演者全員で「Nagasaki Green&Blue」を演奏、歌声を響かせた=佐世保市、アルカスSASEBO

 長崎県のクラシック音楽家の“登竜門”といわれる「県新人演奏会」の第50回記念演奏会が11日、佐世保市三浦町のアルカスSASEBOで開かれた。新人演奏会出演経験者の楽器奏者・歌手8人が長崎OMURA室内合奏団と共演、約880人の聴衆を魅了した。
 県新人演奏会は、県文化団体協議会が1972年度から開き、今年50回を迎えた。これまで2101人が応募し、オーディションを通過した507人が晴れの舞台に立ってきた。
 記念演奏会は、西川千穂(オーボエ)大橋理渚(クラリネット)宮本侑昂(バイオリン)本山あきな、中村卓士(ピアノ)大石洋史(バリトン)富永果捺子(ソプラノ)内夏美(ソプラノ)が出演。同合奏団のオーケストラをバックに、モーツァルトやベートーベンなどの協奏曲、オペラを情感豊かに披露した。
 指揮を担当したのは、第46回から審査委員長を務める新国立劇場オペラ研修所長の佐藤正浩。「素晴らしい音楽家たちが研さんを積んで帰ってきた。感激」と語り、小中高生対象の「ながさき“若い芽”のコンサート」とも連係し、若い世代を育てていくことの大切さを訴えた。
 終演後、県内を拠点に活動する西川は「記念演奏会で演奏できたことは大きな財産となった」、中村は「(ピアノを)弾きながら目頭が熱くなった」と感無量の様子。東京在住で、今夏はイタリア、フランスでも活動したという富永は「ドキドキが止まらなかった」とこの日のステージを振り返った。

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