那須雪崩事故刑事裁判・被告人質問 教諭は「雪崩の危険感じなかった」

 那須町で登山講習中だった大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が、雪崩に巻き込まれ死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった男性教諭3人の刑事裁判で14日、2人の被告人質問が宇都宮地方裁判所で開かれ、教諭は「雪崩の危険は感じなかった」などと述べました。

 この事故は、2017年3月27日、那須町で登山講習中だった大田原高校山岳部の男子生徒7人と顧問の男性教諭1人の合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡したものです。

 業務上過失致死傷の罪に問われているのは、講習会の責任者や生徒の引率などにあたっていた猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(55)、渡辺浩典被告(60)の男性教諭3人です。裁判では、訓練を始める前に雪崩を予見できたかなどが争われています。

 14日は、前回に続いて被告人質問が行われ、8人が亡くなった先頭の班を引率していた菅又被告と後続の班を引率していた渡辺被告が証言台に立ちました。

 渡辺被告は、雪崩が起きた上部の斜面は当時見えていなかったため、訓練範囲には含めておらず、雪崩の危険性は頭に浮かばなかったと述べました。また、菅又被告は雪崩の危険性については、斜面がなだらかだったことなどから雪崩の危険性は感じていなかったと述べました。

 また、菅又被告は滑落の危険性があることから、引率していた班の生徒らに、三度引き返すことを提案しましたが、生徒らが上の方へ登りたいという意見に「押し切られたところがあった」と述べました。

 次回の公判は11月22日に開かれ、引き続き被告人質問が行われる予定です。

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