「朝、言葉待って作詞」 死去の作詞家・三浦徳子さん(青森市生まれ) 往年の対談で

歌舞伎俳優市川笑也さんと対談した三浦徳子さん。1993年1月1日付東奥日報に掲載された

 郷ひろみさんの「お嫁サンバ」や松田聖子さんの「青い珊瑚礁」などで知られる作詞家の三浦徳子(みうら・よしこ、本名高原徳子=たかはら・よしこ)さんが6日午前1時21分、肺炎のため死去した。74歳。青森市生まれ。三浦さんは30年前の1993年1月1日付の東奥日報で、八戸市出身の歌舞伎俳優市川笑也さんとの対談が紹介された。

 作詞について三浦さんは「全部聴かせどころというのはだめ。サビはちょっとあればいい」と強調。「ものをつくる時は両性具有というか、そんな気分になる。男性歌手の歌詞を書く時は、自分のなかの男性的な部分を拡大するとか」と話した。仕事は朝にするとし「夜だと、他の人の話した言葉が残っちゃって。それが全部消えないと仕事ができない。朝起きて、言葉が向こうからやってくるのを待つんです」と語った。

 新年の抱負を「私の仕事はらせん状に回転している気がする。新年は振り出しに戻るということじゃなくて、らせん状に一回転してまた新しい仕事ができるかなと思っている」と話した。

 青森市に生まれ、大鰐町や八戸市、弘前市などで育った三浦さん。対談で、女形の笑也さんにこう問いかけた。「青森の女性って根気強いと思いません?」

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