キングス恒例の試合後表彰、選ばれたのはブラウンHCだった「絶対にダメだと言ったんだ」

選手たちに祝福されたブラウンHC

現地11月13日、キングスはホームでキャバリアーズに132-120で勝利。試合後のロッカールームで行われる儀式で、思わぬシーンが生まれていた。

キングスでは昨シーズンから、勝利した際にディフェンスで最も貢献した選手にディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・ゲームを表彰する儀式を行なっている。いつものようにジョルディ・フェルナンデスACが語り出し、スタッツを言っていたところでドマンタス・サボニスが何かを言う。するとフェルナンデスACは、400勝を達成したブラウンHCを指名。チーム全員から祝福され、王冠をかけられると玉座に座って選手と共に記念撮影をした。チーム全員が笑みを浮かべている中で、ブラウンHCは少し恥ずかしそうにしている。その写真はキングスのSNSにアップされている。

1997-98シーズンにウィザーズのアシスタントコーチとなってコーチ業がスタートしたブラウンHC。その後スパーズ、ペイサーズでアシスタントコーチを務めると2005-06シーズン、キャバリアーズでついにヘッドコーチに就任。レブロン・ジェームズと共に5シーズン指揮すると、2011-12シーズンからレイカーズ、2013-14シーズンにまたもキャバリアーズでヘッドコーチとなる。2016-17シーズンからの6年間はウォリアーズでスティーブ・カーHCの下でアシスタントコーチに。そこで3度チャンピオンを経験。昨季からキングスのヘッドコーチになっている。

キャバリアーズ戦後の記者会見で、ブラウンは「キーガン(・マレー、この試合で25得点、8リバウンドの活躍)が表彰されるべきだった。でも、ロッカールームでは誰も私の言うことを聞かないだよ(笑)。パフォーマンスコーチが試合後に何か言っていたんだ。少し気が立っていて聞き逃したから、『何?』と聞き返したら何でもないと言われたんだ。そしたらドマンタスからディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・ゲームになってほしいって言われてね。絶対にダメだと言ったんだけど」と答えている。

また400勝を振り返って、これまで関わった人たちへの感謝を述べている。
「幸運でしかない。機会を与えてくれたダン・ギルバート(キャバリアーズオーナー)と彼の家族に感謝だし、すべての選手にも感謝している。レブロン(ジェームズ)、ジドルナス・イルガウスカス、アンダーソン・バレージョ、ダニエル・ギブソン、エリック・スノウ…名前を挙げたら切りがない。ロサンゼルスではバス・ファミリーがチャンスを与えてくれた。コービー・ブライアント、パウ・ガソル、アンドリュー・バイナム、デレク・フィッシャー、マット・バーンズといった選手がいたね。サクラメントではヴィヴェク・ラナディベ(キングス・オーナー)のパートナーになった。まだ短い時間だけど、ここまでは素晴らしい経験ができている。彼は質の高い人間で、サクラメント、キングスに情熱を注いでいる。それは今の選手たち、ディアロン(フォックス)、ドマンタス、キーガン、ケビン(ハーター)、HB(ハリソン・バーンズ)、マリーク(モンク)らも同じ。この先もずっと一緒に戦えるだろう。質の高い人たちに恵まれていて幸運だと感じているよ。とても高いレベルでプレーし、高いパフォーマンスを発揮し、人間的にも素晴らしい選手たちだ。ヘッドコーチである私が評価されるのは、周りの人たちのおかげ。選手、コーチ、オーナー、メディカルスタッフ、フロントオフィス。このリーグで400勝できたのは、そういった人たちのおかげでもある。それくらい、このリーグはハードなんだ」。

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