猫のいる部屋で「床の暖房器具」を使うときに気をつけるべきポイント

床の暖房器具では低温やけどに注意

床の暖房器具でいちばんに注意したいのが低温やけどです。

低温やけどは長時間にわたって熱源に触れていることでおこります。猫の場合は40〜50度ほどの温度で低温やけどになると言われています。

ところが猫は熱さに鈍感で、50度くらいになってやっと「あれ、なんか熱いな」と感じるのだとか。その鈍感さのせいで、猫は低温やけどをおこしやすいのです。しかも猫はなぜ熱いのか理解できません。そのため床の暖房器具を使用する際は人間が注意してあげる必要があります。

ちなみに50度では、数分ほどで低温やけどをおこす可能性があります。

とくに自分ではまだ上手に動けない低月齢の子猫やあまり動かない老猫は注意が必要です。定期的に向きを変えて同じ面が熱源に触れ続けないようにしましょう。またタオルや毛布を敷いて直接体に触れないようにするのもおすすめです。

床の暖房器具で脱水症になる場合も

ただでさえ運動量が減って飲水量が落ちがちな寒い季節。暖房器具を使用することで室内が乾燥するため、体内の水分量が減り脱水症をおこしやすくなるのです。床の暖房器具もエアコンほどではないとは言え、乾燥は避けられません。また寒い時期は猫が動きたがらず、水飲み場まで行かないこともあります。

脱水対策として、定期的に暖房の電源を切る、猫がいる場所の近くに水飲み場をつくるなどの工夫をしましょう。特に冬場は冷たい水よりも体温くらいのぬるま湯を好む傾向があります。

また乾燥対策には加湿器の使用もおすすめです。空気が乾燥すると感染症にもかかりやすくなります。乾燥対策は感染症の予防にも効果が期待できます。

猫が熱いと感じたときに避難できるようにしておく

猫は自分で快適だと感じる場所を見つけるのが得意な動物です。寒いときに暖かい場所を見つけるように、熱いと感じたときには涼しい場所に移動します。

ところが床の暖房器具でも、床暖房は部屋の一面を覆うようになっており、熱いなと思っても逃げ場がありません。部屋の扉を少しだけ開けておく、キャットタワーなど床から離れられる場所を用意するなど猫が自分で調節できるようにしておきましょう。

一般的に床暖房は32度くらいが快適だと言われています。温度調節ができるカーペットなどもそのくらいを目安にするのが妥当です。床の暖房器具の温度設定はほんのりとお尻が温かくなる程度にし、熱くなりすぎないようにしましょう。

まとめ

床暖房やホットカーペットといった床の暖房器具は比較的安全にあつかえるのがメリットです。しかし猫のいるご家庭では低温やけどや脱水症の危険性のほか、電源コードへのいたずらや、床全体が必要以上に熱くなってしまう場合もあるため、飼い主さんが注意しなくてはなりません。

適切な温度に調整する、子猫や老猫の場合は体位の変更、涼しい逃げ場所を用意するといった対策を検討しましょう。

安全対策をしっかりおこなって、寒い冬を快適に乗り越えましょう!

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