香港に今後多くのユニコーン誕生

2日間にわたる国際金融リーダー投資サミットが閉幕し、最終日の11月8日、陳茂波・財政長官は世界の金融界の重鎮たちに香港のストーリーを語った。9日付香港各紙によると、陳長官は「複雑かつ困難な環境に直面し、投資家のリスク回避が高まり、投資意欲が低下している」と指摘し、優れた投資戦略とは、成長の可能性のある投資機会を探るべきであるとの考えを示した。また陳長官は、香港が次々と課題を克服するにつれ、新たな強みと機会が生まれ、複雑な環境においても香港は依然として多くの投資機会と潜在的な利益を提供しており、イノベーションとテクノロジーの発展が期待されていると指摘。今後10 年間で香港ではより多くの「ユニコーン」企業が出現し、大きな投資の可能性を秘めているとの見方を示した。

陳長官は、イノベーションとテクノロジー産業が今後も香港の経済成長の重要な原動力であり続けると信じており、香港政府もイノベーションとテクノロジー産業の発展に2000億ドル以上を投資することを決めたと紹介。現在、中国本土の人工知能(AI)企業の多くは、香港を通じて国際データを取得するために香港で開発することに前向きであり、同時に、国際人工知能企業も香港を通じて本土のデータを取得したいと考えているという。陳長官は、交換から得られたデータベースは人工知能の開発に役立つだけでなく、生物医学など他の産業でも重要な役割を果たすだろうと続けた。また、ブロックチェーン技術の進歩により、取引効率も向上したという。

近年移民が急増しているが、会議の参加者らは香港には人材を呼び込む上で依然として優位性があるとみる。PAG Investment Groupの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)のクリス・グラデル氏は、最近多くの人が地政学について議論しており、一部の人が香港を離れるのは明らかだと考えているが、それでも香港は人材を呼び込むことに何の問題もないと断言。同氏は、香港は地理的に本土に近く、アジアの中心に位置しており、香港の法律は金融市場に有益な影響を与えており、一国二制度の重要性を強調しているため、PAG投資にとっては容易であると指摘した。ブラックロックのグローバル顧客事業責任者、マーク・ウィードマン氏は「中国の経済発展は現在比較的困難である。本土が住民の退職後の貯蓄の多様化を促進した後は、資本市場の影響力がさらに増し、中国市場が世界のトップになる可能性がある」と述べた。

© HKP