クリミア奇襲「ロシアを圧迫」 上陸作戦参加の工作員が証言

共同通信の取材に答えるウクライナ特殊部隊「アルタン」の工作員「リュティ」(マリナ・リソフスカ氏撮影・共同)

 【キーウ共同】ロシアが侵攻の拠点とするウクライナ南部クリミア半島に、同国特殊部隊が上陸作戦などの奇襲を仕掛けている。部隊の工作員と作戦概要を知る当局者が15日までに共同通信の取材に応じ、上陸作戦を「将来の奪還に向けた演習」と位置付け「ロシアに心理的圧力を加えている」と証言。クリミアを解放するまで特殊部隊の投入が続くと述べた。

 ウクライナは6月に反転攻勢を始めたが、東部や南部での地上戦は膠着する。一方、クリミアではロシア艦船や防空システムを破壊して一定の成功を収めており、ウクライナはクリミア方面で戦果を積み上げて、停滞ムードを払拭したい考えとみられる。

 上陸作戦はウクライナ独立記念日の8月24日と10月3日に行われ、国防省情報総局傘下の特殊部隊「アルタン」が主導。首都キーウ(キエフ)でインタビューに応じたアルタン所属の男性工作員(29)は両作戦で上陸部隊を海上から支援した。

 男性のコードネームは「リュティ(猛者)」で、小型ボートを使ってクリミア西岸沖500~千メートルの海域に潜入した。

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