【高額請求】相次ぐ“ロードサービストラブル”当事者が語る実態…もしもの時の心得とは(静岡県)

車両トラブルの際に、迅速に駆け付けてくれるロードサービス。しかし、ここ最近、静岡県内では高額請求によるトラブルが相次いでいます。実際にトラブルにあった当事者を取材しました。

(トラブルの当事者)

「全然話がかみ合わなかったり、半分脅しみたいなことを言われて。怒りを覚えた」

こう話すのは、ロードサービスで高額な料金を請求されたという男性。男性は以前、車のバッテリーが上がってしまい、ロードサービスを利用しようと、スマホの検索で上位に表示された業者に電話をかけました。ネットで検索をした際、HPには「バッテリー修理」として、料金が8800円からと記載されていて、業者を呼び出す際の電話でも、料金の確認をしていました。しかし、業者が現場に到着し、いざ作業を開始しようとボンネットを開けると、業者から驚くべき値段を提示されたと言います。

(トラブルの当事者)

「すぐ見積もりを出しますという話になり、お願いしますということになった。作業の前に見積もりを出してもらった方がいいかなと思ったら、高額な値段だったので驚いた」

その金額は、なんと10万円以上。

男性はこの金額に抗議をすると、業者からHP上に料金に関しての利用規約が明記されていると言われたと言います。さらに作業時間ではなく、話し合いの時間も作業代として料金に上乗せされたと言います。最終的に車の復旧作業はされませんでしたが、男性は業者に「お金を払わなければ帰らない」と言われ、結局、高額な料金を払ってしまいました。

(トラブルの当事者)

「自分の確認不足もあったと思う。こういう悪徳な業務をすることで、被害を被る人が大勢いる、そういうことは裁かれるべき。被害をあわれた方にはお金を返してほしい」

(スタジオ解説)

Q:取材してみて今回のトラブルは誰にでも起こりうる事なのでしょうか?

(記者)

そのそも男性は車のバッテリーが上がり、ロードサービスを利用しようとした際、スマートフォンの検索で最上位に表示された業者に連絡をしたと言い、男性は誰にでも起こりうると話しています。今回のトラブルの内容は、元々「8800円」となっていた修理代金が、実際には修理がされず、ボンネットを開けただけで10万円以上の高額な請求をされたというものです。

私たちは男性とトラブルになったロードサービスに、15日午前に電話をかけましたが、電話対応をした担当者は「責任者が不在で話せない」と言い、「改めて連絡をする」と電話を切りました。しかし、現在まで業者からの連絡はありません。

Q:県内では今回の様な悪質なロードサービスのトラブルが他にも発生しているのでしょうか?

(記者)

県によりますと「インターネットで検索したロードサービス」に関する消費者センターへの相談件数は、2022年度が30件、2023年度は9月末時点で34件に上っています。

Q:では、今回の様なトラブルが発生した際、どのように対応すればよいのでしょうか?

(記者)

今回のケースについて消費者トラブルに詳しい増田英行弁護士は、法規制に限界があるとした上で、自衛の意識を持つことが大切だと話します。

(ときわ綜合法律事務所 増田 英行 弁護士)

「いただいた事案について言えば、かなりグレーだなという風には思いました。一応、法律にはクリアするような体裁は持ってるので、あとは解釈の問題。白なのか黒なのかというのは実際に裁判をやってみないと分からない」「『これおかしいな』と思ったら、とにかくその場でお金を払わない、これが1番大切。相手に払ってしまうと後で『しまった』と思っても取り返すことが非常に困難」「勇気を持って契約内容を検討した上で、後日回答しますという既然とした態度で対応してもらいたいなと思う」

(記者)

このように増田弁護士は、おかしいと思ったら、その場で料金を支払わないことが一番大切だと指摘します。

今回、トラブルにあった男性は、現場に警察を呼んだという事ですが、業者が利用者をだまそうと誇大な表現を使ったり、脅すなど、刑事罰の対象となる行為が無い場合は、警察は民事には介入できないと話したということです。

また増田弁護士は、対策として車のトラブル時に任意保険会社が業者を手配してくれるロードサービス特約が、自身の保険に付いているかどうか必ず確認してほしいと話していました。この場合、費用は保険から支払われます。ただ、保障内容は保険会社によって異なるので、事前に確認しておくことが重要です。

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