シード喪失危機の渡邉彩香「手を抜いた、はない」

スイング改造に取り組んだ今シーズン(撮影/石井操)

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 事前(15日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)

昨年「ほけんの窓口レディース」を制して今季の年間シードを獲得したツアー5勝の渡邉彩香は、シード喪失のピンチを迎えている。

来季のシードが決まる今大会を残して、現在のメルセデスランキングは71位(244.80pt)。ボーダーラインになる50位までは201.21pt、前半戦までの出場権が獲得できる55位までは最低でも144.61pt以上は稼ぐ必要がある。成績でいえば、優勝または2位相当になる。

今シーズンは持ち球のフェードにさらなる磨きをかけるためスイング改造に取り組んできた。手応えをしっかりと持ってフィールドに入り、今でもスイング自体は「すごく良くなった」と思える。「球が全然曲がらなくなった。飛距離も出るようになったし」と成果は感じられている。ただ、成績にはなかなかつながらなかった。

今季のトップ10入りは、開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」での6位と4月「ヤマハレディースオープン葛城」での10位と2試合。7月「資生堂レディス」から9試合連続予選落ちを喫し、10月「日本女子オープン」から前週の「伊藤園レディス」まで6試合連続予選落ちが続いている。

「この一年、結構スイングも変えて自分なりにやってきた。成績が良くても悪くても練習には行ったし、トレーニングもしっかりやって。手を抜いたというのはなくやってきた」と課題に向き合ってきた。

このまま55位以内に入れなければ、来シーズンの試合に向けて予選会(QT)の参戦も視野に入る。QTは2019年に一度経験しており、「すごく大変だったし、本当に必死でやらないといけない。やっぱりみんなが死に物狂いでやる」と当時の記憶を回顧する。「今週がどうなるか分からないけど、終わってからまたどうするか考えたい」

ただ、心情的には悲壮感やピリピリ感は抱えていない。「状態はいいし、ちょっとのきっかけでチャンスが来るんじゃないかなというのがずっとある。最後それを続けて、結果によって自分がどう思うか。『どうにかしないと』という気持ちはない」。気持ちは穏やかに、いつもと変わらぬ姿勢でティオフする。(松山市/石井操)

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