インフル流行前倒し 薬局が悲鳴…異例の薬不足続く 広島

冷え込みが本格化し風邪をひく人が増えるこれからの季節、薬局である異変が起きています。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「こちらはたんを切る薬なんですが、在庫が2錠しかないので出せないという状況になっています」

広島市東区の薬局では9月以降、風邪薬の不足が続いています。

たんを切る薬のほか、せき止め薬や抗生物質なども在庫は残りわずかで入荷の見通しは立っていません。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「いつ入ってくるのか分からないので、待つしかないという状況です」

せき止め薬の入荷は今年に入りわずか2回。他の薬局から譲り受けた約300錠も11月末にはなくなってしまうということです。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「(せき止め薬は)あって当たり前。こんなに入らない状況がずっと続くなんて想像していなかった」

要因の1つはジェネリック医薬品メーカーの不祥事です。自主回収などにより薬の出荷量が大幅に減りました。

さらに追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルスの流行でした。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「病院に行くのが怖い。外に出るのが怖い。それで薬が動かなかった。(製造を)メーカーが控えたのかもしれない」

こうした中、県内ではインフルエンザの流行時期が前倒し、早々に注意報が発表されました。

薬の供給が減る一方、せき止めなどを求める人が増えたことで、需要と供給のバランスが崩れてしまったといいます。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「せきが酷い患者さんを見ていると出せないときは申し訳ないなと思います」

薬局に行っても薬がない・・・。国は製薬会社に薬の増産を求めていますが、対応には時間がかかる見込みだということです。

ノムラ薬局牛田旭店 中川潤子さん「手洗いうがいをすることでインフルエンザのリスクが減ると思うので気をつけていただきたい」

© 広島ホームテレビ