「W杯で私の母国に勝利したワールドクラス」ミャンマー指揮官が日本戦に意欲、チーム強化へ長期計画も披露「今後2年で…」

[写真:©超ワールドサッカー]

ミャンマー代表のミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督が日本代表戦への意気込みを語った。

いよいよ始まる2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選。我らが日本代表は16日、パナソニックスタジアム吹田で行われるミャンマー代表戦が初戦に。複数の主力選手を欠く状況だが、事情はどうあれ、マストは勝ち点「3」。サムライブルーの躍動に期待したい。

対戦相手のミャンマーを率いるはドイツ人のファイヒテンバイナー監督。前日会見では「日本はアジアのNo.1チームであり、明日の試合はタフで厳しいものとなるだろう。しかし、そんな彼らと対戦できることが嬉しいし、大きなチャレンジとなる。最善を尽くすよ」と意気込む。

「日本は数々の国際試合で結果を出してきたチーム。カタールW杯では私の母国(ドイツ)にも勝利した…おそらくはワールドクラスだろう。我々としては最善を尽くすと同時に、観客に面白いゲームだと思ってもらえるよう頑張りたい」

また、今回のW杯から出場枠が増え、アジアについてはこれまでの「4.5(※1)」から「8」に。W杯出場経験のないミャンマーとして「この事実がモチベーションになっているか」との質問が飛ぶと「確かに魅力的ではあるが、現実を直視しなければならない」と語る。

「W杯出場経験がなくともミャンマーより強い…そんな国がアジアにはたくさんある。希望を捨てるわけではないよ。ただ、ヨーロッパなんかでも、W杯に出れなくてもユーロには出る国がある。W杯の出場枠が増えたという事実を選手たちにプレッシャーとして感じてほしくない」

「より現実的な目標はアジアカップ出場なのだ。W杯と両方出られるなら素晴らしいが、今回のグループB(日本、シリア、北朝鮮、ミャンマー)で我々は圧倒的格下。FIFAランキングを見れば明らかで、覆しようがない」

「ただ、チャンスはゼロではない。6試合全てでベストを尽くすし、とりわけホームでの試合には力をいれる。大阪でのゲームは楽しみだが、我々が勝ち点を取れる可能性があるとすれば、それはホームゲームだ。21日の北朝鮮戦(H)に焦点を当てるべきだろう」

一方で、ミャンマーサッカー界の発展という点にも話が及ぶと、今年3月に就任したドイツ人指揮官は熱弁を振るった。

「今から50〜60年前、当時のミャンマー(ビルマ)はアジアトップクラスの実力があった。しかし、日本、韓国、イラン、サウジアラビアに抜き去られ、対照的にミャンマーの競技力は低下の一途を辿ったのだ」

「ただし、選手に才能はある。私の隣にいるキャプテン(MFマウン・マウン・ルイン)の世代は2015年にU-20W杯にも出場しており、この世代が現A代表の中核だ」

「私としてはこれからの2年、引き続きこの世代を中心に据え、タイやベトナム、インドネシアといった東南アジア勢との差を縮めたいと考えている。繰り返すが良い選手は確かにいる…アジア全体での立ち位置を向上させるのはそれからが良いだろう」

(※1)前回はカタール開催のため「1+4.5」

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