【現地取材】創設2年で2回目の挑戦。地域CLに臨んだ「新生BTOP北海道が得たもの」

11月10日からスタートした地域サッカーチャンピオンズリーグ。JFLへの昇格をかけて全国から12クラブが集まり、3つの会場で予選ラウンドが行われた。

その滋賀会場となる平和堂HATOスタジアムに集まった4チームは、関西リーグの王者であるアルテリーヴォ和歌山のほか、ジョイフル本田つくばFC、BTOP北海道、福井ユナイテッドFC。

その中で最も「新しいチーム」なのが北海道リーグ王者となったBTOP北海道。

昨年「BTOPサンクくりやま」として創設され、20名以上のプロ選手を獲得するなどして地域リーグ界隈に大きな話題を提供したが、1年目でのJFL昇格には届かず。地域サッカーチャンピオンズリーグで敗退し、多くの選手がチームを去った。

そして今年「BTOP北海道」と名前を変えて再出発し、リーグ最終節で十勝スカイアースを相手に劇的な逆転勝利を収め、2年連続のチャンピオンになった。

それから今回2年連続の地域サッカーチャンピオンズリーグに臨んだものの、初戦となったジョイフル本田つくばFC戦で2-3と敗北。試合終了間際で10人の相手にミスから失点するというショッキングなものだった。

さらに、2戦目となった福井ユナイテッドとの試合でも1-2と敗北。終了間際にはパワープレーでネットを揺らしたと思いきや、オフサイドの判定でゴールが認められなかった。

すでに決勝ラウンド進出を逃した状態で迎えた最後のアルテリーヴォ和歌山戦ではインテンシティの高い情熱的なサッカーを見せ、4-1と勝利を収めるも、1勝2敗という結果で大会を去ることになった。

多くの選手が入れ替わったなかで昨年からBTOPに所属し続けた数少ない選手の一人、吉行豊輝選手はこの大会を以下のように振り返った。

――最後はいい試合ができましたね

敗退が決定したなかで難しいモチベーションではあったんですけど、BTOPとしてまだ1勝もできていませんでしたからね。

最後は勝利をして帰ろうということで、みんながモチベーションを上げてやった結果がこの4-1だったと思います。

――これが本当のBTOP北海道のサッカーなんですね

そうですね、僕たちが掲げているのは「情熱のフットボール」というんですけど、相手よりも走って戦ってポゼッションして。

それがようやく最終日になって体現することが出来たと思います。後悔はありますが、やりきったという感じですね。

――昨年からBTOPに所属してきましたが、今年のチームは何が違いますか?

去年は元Jリーガーの選手がたくさんいたんですけど、今年は若い大卒の選手が多いんです。磯部和彦監督の下、その中で鍛え上げられたチームですね。

――昨年の全社ではサポーターがいませんでしたが、今年は滋賀まで多くのファンが来ましたね

そうなんです。サポーターの菊池さんという方が筆頭になって声出し応援をしてくださっているんです。

そこからどんどん応援してくださる方が増えていて…自分たちも何かお返しできたらと思っています。

――今回の大会の3試合は悔しい結果でした。こういうところが悔やまれるというポイントは?

1試合目、2試合目と自分たちのミスから失点をしてしまいました。そのような選手としての質を一人ひとりが上げていくことができれば、突破に近づくのではないかと思います。

――ありがとうございました!

さらに、昨年はFC徳島で地域サッカーチャンピオンズリーグに臨み、今年BTOP北海道の監督に就任した磯部和彦氏は、以下のように大会を振り返った。

――この3試合を振り返っていかがでしょうか

この大会に向けて選手たちと一生懸命準備してきたんですけれども、本当にこの大会の厳しさや難しさを痛感する時間になりました。

僕自身は2回目の挑戦だったんですけれども、それでも悔いはなく終わることができたと思います。

――尻上がりに調子を上げ、最後は「これがBTOPのサッカー」というものが見えたように思います

そうですね。若い選手が多くて、アグレッシブでボールも人も動くサッカーを展開してやってきたんです。

ただ、監督である僕も含めて経験不足なところがあって、スタジアムの雰囲気などに飲まれてしまったのが残念だったと思います。

――BTOP北海道が地域CLを突破するために必要なものは

初めての地域CLに臨んだ選手もたくさんいましたし、クラブとしてもまだ2回目の挑戦でした。

この大会で勝ちに行くための経験を、今回で得られたと思います。それを踏まえて、北海道に帰って、また1年この大会のために頑張っていきたいです。

――サポーターが滋賀まで応援に来ていました。応援してくださる方にひとこと

僕も今年北海道で初めて生活したんですけど、どこに行くにも本当にお金も時間も必要になるんです。

そのような大変な中でも毎回のように足を運んでくださったサポーターの皆さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

来シーズンこそ皆さんを笑顔にできるように、精一杯頑張っていきたいです。引き続き応援していただけたらと思います。

――ありがとうございました!

【関連記事】【現地取材】地域CL敗退のアルテリーヴォ和歌山、欠けていた「勢いと、波と、決定力」

地域サッカーチャンピオンズリーグ2023の決勝ラウンドは11月22日、24日、26日に行われる予定だ。会場は宇都宮市の栃木県グリーンスタジアムとなっている。

© 株式会社ファッションニュース通信社