ボリショイ劇場、総支配人交代か 指揮者ゲルギエフ氏兼務へ

ロシア・マリインスキー劇場芸術総監督の指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏=6月、モスクワ(タス=共同)

 ロシア紙イズベスチヤ電子版は15日、ロシア・バレエとオペラの殿堂として知られるモスクワのボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン総支配人が交代し、同国第2の都市サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で芸術総監督を務める世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏がボリショイの総支配人を兼務することになったと報じた。

 16日に開幕するサンクトペテルブルク国際文化フォーラムで公表されるという。

 ゲルギエフ氏はプーチン大統領と親しく、昨年2月に始まったウクライナ侵攻を非難しないことを理由にドイツのミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を解任されるなど、欧米での活動の場を失っていた。

 一方、ボリショイで総支配人を2013年から務めてきた演劇専門のウリン氏は侵攻直後、劇場関係者らと戦争反対のアピールに署名。政権とのあつれきも指摘されていた。

 ロシア通信によると、プーチン氏は昨年、ゲルギエフ氏にボリショイ、マリインスキー両劇場の指導部統合を検討するよう提案していた。(共同)

© 一般社団法人共同通信社