遠隔授業に「基本形」 長崎県教委が離島3高校の成果報告

離島3高校での取り組みの紹介などがあった遠隔教育サミット=県庁

 長崎県教委は14日、情報通信技術(ICT)を活用した遠隔授業に関する研究発表会を県庁で開催。離島の3高校での取り組みを紹介し、成果や課題を報告した。
 県は文部科学省の委託を受け、2021年度から遠隔授業の取り組みを続けている。本年度は高校1、2年の地理歴史で、県立北松西高、宇久高、奈留高の3校を接続して授業を実施。発表会は「遠隔教育サミット」として開き、3校のほか、県外の学校関係者や専門家らオンラインを含め約50人が参加した。
 生徒の回答を画面で共有したり、チャット機能を使ってコミュニケーションを図ったりするなど、遠隔授業の様子を動画で紹介。3校の関係者は「授業の基本形が定まり、教諭側も生徒への指示や機器の扱いに慣れてきている」などと報告した。
 出席者からは「音声トラブルで授業が止まることが多いのではないか」「『人と一緒に学んでいる』感覚を遠隔でどう抱かせるべきか」といった意見や質問が上がった。
 県教委は25年度、離島半島部の小規模校などへの遠隔授業配信を担う「県遠隔教育センター」(仮称)を県教育センター内に設置する予定。教育DX推進室は「地理的環境や学校規模にかかわらず、いろいろな学びを提供できることが魅力。オンラインでの指導方法に関する研修も計画しており、積極的に推進する教員を育てたい」としている。

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