ビリー・アイリッシュ、自曲「Goldwing」にインスピレーションを与えたオリヴィア・ロドリゴを“守ってあげたい”と感じると明かす

ビリー・アイリッシュは、年齢差がたったの14か月にもかかわらず、同じポップ・アイドルのオリヴィア・ロドリゴを守ってあげたい気持ちになっていることを明かした。

米ロサンゼルス・タイムズとのインタビューで21歳の彼女は、20歳のオリヴィアとの親近感について、「経験というのは人それぞれだと思います。誰だって他の人の人生を経験したことはないですよね。でも、オリヴィアを守ってあげたいという気持ちがあるんです」と話している。

この話題は、ビリーが現在3rdスタジオ・アルバムを制作中で、最初の2枚を10代でリリースした後、20代でアルバムを出すということに戸惑いを感じていることが発端だった。「今まで自分が出してきた他のものとは、どこかとても違う感じがするんです。今、私は20代で……ああ、やっぱすごい違和感……大人として音楽を発表したことがこれまでなかったんです」と彼女は語った。

今年を代表するポップ・レコードを聴いていますかという質問に対し、ビリーはシザの『SOS』を“最高”、オリヴィアの2ndアルバム『ガッツ』を“愛らしい”と答えている。

実際、ビリーはアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』の収録曲「Goldwing」はオリヴィアにインスパイアされた“ようなもの”であることも初めて明かした。ビリーは、「彼女のことだけではないんですが、この曲を書いている時にちょうど彼女のことを考えていたんです」と語り、笑いながら、「彼女が上昇し始めていて、私より年下で、私より年下の(スター)なんていなかったですから」と付け加えた。

この楽曲は、ビリーが子供の頃にロサンゼルス児童合唱団で歌っていた賛美歌の一節で始まり、業界の若いアーティストなら誰でも知っているようなシナリオへと入っていく。「彼らはあなたが聞きたいことを言ってくれる/それから姿を消す/あなたを記念品のように獲得する/結局1年後にあなたを売るために」とビリーはこの曲で歌っている。

彼女は、「オリヴィアは成長していたけれど、まるで小さくて可憐な子供のようで。私はすごく不安でした。彼女のことが心配だった。彼女は演技の世界で育ってきたわけで、(芸能界は)変な人が多いじゃないですか。わからないけど、私はただ彼女を守ってあげたいって思ったんです」と話している。そして、「若い女の子たちの中に自分が見えるんです。そして、それって女の子(の状況)なんですよね。男の子は自分のことは自分でできる。彼らは男だから、私たちのように対処する必要がないんです。私はただ、みんなを小さなガラスの箱の中に入れて、何からも触れられないようにしたいんですよね」と続けている。

このインタビューでは、ビリーが最近ニルヴァーナの故カート・コバーンの遺書を読み、グランジの象徴であったコバーンへ“深い深い悲しみ”を感じると同時に、彼が巻き込まれていた名声の構造に対する憎しみを理解できることについても語った。彼女は、「(名声とは)こうだろうなと思うようなものではないんですよね」と彼女は述べている。コバーンが、ビリーと兄でプロデューサーのフィニアスが、成功の孤独を理解するための道標としてしばしば参照するアーティストであることを理解すれば、この言及は理にかなっている。「実存的危機のようなバイブスで、愛する人たちと一緒に部屋に座っていても、ああ、私の人生って一体どうなっているんだろう、と思うようなものです」と彼女は説明している。

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