猫の急死を招く『心筋症』とは?主な症状や早期発見のポイント3つ

猫の「心筋症」とは?

「心筋」とは心臓の筋肉のことをいいますが、心筋に異変が起きて心臓の機能が低下してしまう状態を「心筋症」といいます。

猫の心筋症は3つのタイプがあり「肥大型」「拘束型」「拡張型」と呼ばれています。その中でも肥大型が最も多いそうです。

心筋症とはその名の通り、心筋が厚くなってしまうのですが、それにより心室が狭められて中の血液が減少することで、充分に血液を送り出すことができなくなってしまいます。

心筋症は初期は無症状のことが多く、気づきにくいため、発見が遅れる傾向にあります。年齢に関係なく、若い猫でも発症することがある病気です。

猫の「心筋症」の症状や早期発見のポイント

ではここからは、猫の心筋症の症状や早期発見のポイントについて解説します。愛猫が手遅れにならないように、飼い主としてしっかり確認しておきましょう。

1.心拍数を把握しておく

心筋症の初期は見つけにくいものですが、心拍数が増加することがわかっています。異常があった際に早く気づけるよう、愛猫の心拍数を把握しておきましょう。

猫の心拍数は、安静にしている状態で1分間に130~160拍です。しかし、猫によって差があるため、まずは『愛猫の心拍数の数値を知っておくこと』が心筋症の早期発見につながります。

心拍数は定期的に測るようにしましょう。

猫の心拍数の測り方ですが、両脇の下に手を入れ、その状態で抱っこするか立たせたまま、鼓動を数えます。

2.検査を受ける

動物病院の定期健診だけでは見つけにくいのが心筋症です。そこで、心筋症を早期発見するためには、定期的に心臓の検査を受けることをおすすめします。

心臓の検査というと心電図検査や超音波検査、レントゲン検査がありますが、猫が健康であればそこまでする必要はありません。

心臓マーカー(NT-proBNP)といって、少量の血液を採取して検査することが可能です。定期健診と合わせて行うといいでしょう。

3.日頃から観察する

心筋症に限らず、猫の体調不良に早く気づいてあげるためには、日頃から猫をよく観察しておくことです。スキンシップをとって体の状態を知っておきましょう。そうすれば、小さな異変にも早く気づくことができるでしょう。

心筋症は、初期症状がわかりにくいため発見が遅れがちになりますが、食欲不振、元気がない、あまり運動をしなくなるなどの変化がみられることがあります。これは、他の病気にも当てはまることなので、見逃してしまうことが多いですが、いつもと様子が違うと感じたら動物病院で相談しましょう。

心筋症では血管内に形成された血栓が血流にのって流れ、細かい血管に詰まることがあります。形成された血栓がつまり血流が途絶える病気を血栓塞栓症と言います。

猫の場合血栓が詰まりやすいのが、後肢に行く血管が別れる部分で足に麻痺や壊死が起こることがあります。麻痺が起こる前に強烈な痛みが生じることが多く、血流が途絶えてしまうと足が冷たくなり、やがて感覚がなくなり最終的に足が壊死を起こしてしまいます。

また、血栓ができてしまった足は血が流れなくなってしまうため、肉球が冷たくなったり青白くなったりします。

まとめ

心筋症は猫の命を突然奪うこともある恐ろしい病気です。初期症状がわかりにくいため、発見も遅れがちになります。

早期発見のポイントは、日頃から猫の様子を観察しておくことと、動物病院での定期的な健康診断を行うこと。早く見つけることができれば、投薬治療で進行を遅らせることが可能です。

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