【香港】8~10月の失業率2.9%、18期ぶり上昇[経済]

香港政府統計処が16日発表した8~10月の失業率(速報値、季節調整済み)は2.9%となり、前期(7~9月)を0.1ポイント上回った。香港の失業率が上昇するのは2022年2~4月期以来18期ぶり。

業種別の失業率は、主要8業種のうち4業種で上昇した。上昇率が最も大きかったのは「製造」(4.5%)で、前期を0.4ポイント上回った。「貿易・卸売り」(3.1%)は0.3ポイント、「運輸・倉庫・郵政・宅配サービス・情報・通信」(3.0%)は0.2ポイント、「小売り・宿泊・飲食サービス」(3.8%)は0.1ポイント、それぞれ上昇した。

改善は2業種。「その他業種」(3.3%)が0.2ポイント、「建築」(3.8%)が0.1ポイント、それぞれ前期を下回った。

「公共行政・社会・個人サービス」(1.4%)と「金融・保険・不動産・専門サービス・ビジネスサービス」(2.5%)の2業種は横ばいだった。

■10~20代の改善続く

年齢別では、最も厳しい雇用状況にある「15~19歳」(10.4%)が1.0ポイント、「20~29歳」(6.0%)も0.2ポイント、それぞれ前期を下回った。両年代とも2期連続の改善となる。

30代以上はいずれも悪化。「30~39歳」(2.3%)、「40~49歳」(2.4%)、「50~59歳」(2.9%)は0.1ポイント、「60歳以上」(2.4%)は0.2ポイントそれぞれ前期を上回った。

8~10月の失業者数は前期から1,800人増えて11万5,800人。就業者数は6,900人減の371万3,400人で、労働力人口は5,100人減の382万9,200人だった。

就業時間が基準に満たない不完全就業者(パートタイムなど)が労働力人口に占める比率を示す不完全就業率は1.0%で、前期から横ばいだった。

政府労働・福祉局の孫玉カン(クリス・スン、カン=くさかんむりに函)局長は、失業率が上昇に転じたことについて「依然として低い水準にある」と強調。域外から香港へのインバウンド観光と地場消費が引き続き経済成長を下支えするため、今後数カ月は労働市場で需給の逼迫(ひっぱく)が続くとみている。

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